「WordPressで学ぶPHP(4)通信編」を発売しました。
本書は、「WordPressで学ぶPHP(1)変数・制御構造編」「WordPressで学ぶPHP(2)データ構造編」「WordPressで学ぶPHP(3)関数編」の続編にあたり、Webブラウザとサーバー(PHP)との通信と、PHPから他のサーバーに通信することについて解説します。
PHPUtilプラグイン(その11・条件判断前半)
PHPUtilプラグインでは、変数の値を使った条件判断を行うこともできます。
条件判断のテンプレートタグの書き方も、Movable Type標準のMTIfタグに極力合わせています。
1.MTPHPIfタグの基本的な書き方
条件判断を行うには、「MTPHPIf」というタグを使います。
基本的な書き方は以下の通りです。
<mt:PHPIf name="変数名" 比較演算子="比較対象"> 条件を満たす時に出力する内容 </mt:PHPIf>
「比較演算子」の箇所には、以下の表のいずれかを指定します。
比較演算子 | 比較方法 |
---|---|
eq | 比較対象と等しい |
ne | 比較対象と異なる |
lt | 比較対象より小さい |
gt | 比較対象より大きい |
le | 比較対象以下 |
ge | 比較対象以上 |
また、「比較対象」に、変数と比較する値を指定します。
例えば、変数xの値が10より小さい時だけ何かを出力するには、以下のような書き方をします。
<mt:PHPIf name="x" lt="10"> 変数xの値が10より小さい時に出力する内容 </mt:PHPIf>
2.真偽の判断
比較演算子のモディファイアを指定しない場合、変数の値が「真」(true)とみなせる場合のみ、MTPHPIfタグのブロック内が実行されます。
真の逆の値を、「偽」(false)と呼びます。
以下の値は偽とみなします。
- 数値の0
- 「0」の文字
- 中身のない文字列
- 要素がない配列/ハッシュ
また、変数がまだ定義されていない場合も、偽とみなします。
例えば、変数xが真とみなせる場合だけ何かを出力するには、以下のような書き方をします。
<mt:PHPIf name="x"> 変数xが真とみなせる時に出力する内容 </mt:PHPIf>
3.MTPHPElseIfタグ/MTPHPElseタグ
複数の条件を次々と判断して処理を分けるには、MTPHPIfタグのブロックの中で、MTPHPElseIf/MTPHPElseタグを使って以下のように書きます。
<mt:PHPIf 条件1> 条件1を満たす時に出力する内容 <mt:PHPElseIf 条件2> 条件2を満たす時に出力する内容 <mt:PHPElseIf 条件3> 条件3を満たす時に出力する内容 ・ ・ ・ <mt:PHPElseIf 条件n> 条件nを満たす時に出力する内容 <mt:PHPElse> どの条件も満たさない時に出力する内容 </mt:PHPIf>
個々の条件の書き方は、MTPHPIfタグと同じです。
ただ、1つの変数に対して複数の条件を判断する場合、MTPHPElseIfタグでは「name="変数名"」のモディファイアを省略することができます。
例えば、以下のような料金表があるとします。
年齢 | 料金 |
---|---|
6歳以下 | 500円 |
12歳以下 | 1000円 |
上記以外 | 2000円 |
年齢が変数yearに代入されているとすると、上記の料金を出力するには、以下のようにテンプレートを組みます。
<mt:PHPIf name="year" le="6"> 500円 <mt:PHPElseIf name="year" le="12"> 1000円 <mt:PHPElse> 2000円 </mt:PHPIf>
また、3行目のMTPHPElseIfタグでは、1行目と同じ変数(year)を条件判断に使っています。
したがって、3行目では「name="year"」のモディファイアを省略することもできます。
4.MTPHPUnlessタグ
条件が成立した時でなく、条件が成立しなかった時に何か処理をしたい時は、MTPHPUnlessというタグを使うこともできます。
書き方は以下のようになります。
<mt:PHPUnless name="変数名" 比較演算子="比較対象"> 条件を満たしていない時に出力する内容 </mt:PHPUnless>
5.PHPUtilプラグイン関係の記事の一覧
PHPUtil関係のその他の記事は、以下のリンクから参照できます。
- PHPUtilプラグイン(その1・概要とインストール)
- PHPUtilプラグイン(その2・ファイルの読み込み)
- PHPUtilプラグイン(その3・日時関係の処理)
- PHPUtilプラグイン(その4・ユーザーエージェントの判断)
- PHPUtilプラグイン(その5・変数の基本)
- PHPUtilプラグイン(その6・変数の計算)
- PHPUtilプラグイン(その7・配列の利用)
- PHPUtilプラグイン(その8・配列関係の関数)
- PHPUtilプラグイン(その9・ハッシュの利用)
- PHPUtilプラグイン(その10・GET/POSTされた値を得る)
- PHPUtilプラグイン(その11・条件判断前半)
- PHPUtilプラグイン(その12・条件判断後半)
- PHPUtilプラグイン(その13・一定回数の繰り返し)
- PHPUtilプラグイン(その14・配列/ハッシュの出力)
- PHPUtilプラグイン(その15・条件による繰り返し)
- PHPUtilプラグイン(その16・繰り返しを途中で抜ける)
- PHPUtilプラグイン(その17・関数の実行)
- PHPUtilプラグイン(その18・各種のグローバルモディファイア)