「WordPressで学ぶPHP(3)関数編」を発売しました。
本書は「WordPressで学ぶPHP(1)変数・制御構造編」「WordPressで学ぶPHP(2)データ構造(配列・オブジェクト)編」の続編にあたり、PHP組み込みの関数や、独自の関数を作る方法などを解説します。
Kindle本で、定価400円です。
Movable Type EZとパッケージ版Movable Typeの違い
Movable Type EZで拙作のプラグインが動作するかを試すために、Movable Type EZのトライアルを使ってみました。
その結果を元に、Movable Type EZとパッケージ版Movable Typeの違いについてまとめます。
1.Movable Type EZでもできること
Movable Type EZは、クラウドにあらかじめインストールされたMovable Type 5.2です。
基本的には、パッケージ版のMovable Typeと同じ感じで使うことができます。
1-1.管理画面が軽い
Movable Type EZは、Movable Type 5.2がインストールされたクラウドのサーバーです。
インストールや初期設定が済んだ状態になっていて、すぐに使い始めることができます。
Movable Type 5.2はnginx+PSGIに対応していて、Movable Type EZもnginx+PSGIで動作するようにあらかじめ設定済みです。
管理画面のレスポンスが良好で、動作が軽いです。
1-2.プラグインをインストール可能
Movable Typeでは、プラグインで機能を追加することも多いです。
そのため、Movable Type EZでもプラグインを使うことができるようになっています。
Movable Type EZでは、FTPSでサーバーにファイルをアップロードすることができます。
FTPSで接続すると、そのディレクトリの中に「plugins」と「mt-static」のディレクトリがあります。
これらのディレクトリに、プラグインのファイルをアップロードすると、プラグインを使うことができます。
ただ、こちらで試した限りでは、プラグインをアップロードするだけでは認識されないことがありました。
その場合、PSGIの再起動がかかる動作を行うと(例:カスタムフィールドの作成)、プラグインが認識されました。
プラグインをいろいろと入れてみたい方は、拙作のRebootプラグインをMovable Type EZに入れて、手動でPSGIを再起動できるようにしておくと良いでしょう。
ただし、一部のプラグインではインストールできないものもあります(後述)。
1-3.alt-tmplディレクトリでの管理画面カスタマイズも利用可能
管理画面をカスタマイズする際に、管理画面のテンプレートをalt-tmplディレクトリにコピーして、そちらをカスタマイズすることがあります。
Movable Type EZでも、alt-tmplディレクトリを使うことができるようになっています。
2.Movable Type EZではできないこと
一般的な使い方をする分には、Movable Type EZとパッケージ版Movable Typeにはほとんど差はありません。
しかし、突っ込んだ使い方をしようとすると、Movable Type EZではできないこともあります。
2-1.Movable Type EZでは本体のソースは触れない
Movable Type EZでは、Movable Typeの本体(コア部分)は、システム側で自動的にメンテナンスされる仕組みになっています。
そのため、本体のソースコードを触ることはできません。
FTPSで接続すると、以下のディレクトリのファイルだけが見える状態になっています。
- alt-tmpl
- backup
- error
- import
- mt-static
- plugins
- restore
- search_templates
- static
- themes
ちなみに、パッケージ版Movable Typeにはないディレクトリとして、以下の4つがあります。
ディレクトリ | 内容 |
---|---|
backup | システムによって毎日1回自動的にバックアップが行われ、そのファイルが保存されます。 |
error | 404(Not Found)/401(Unauthorized)エラーの時に表示するHTMLがあります。 |
restore | 用途不明です。 |
static | ウェブサイト/ブログの出力先です。 |
2-2.ダイナミックパブリッシングができない?(今のところ)
ダイナミックパブリッシングでは、Apacheの.htaccessが動作することが必要です。
しかし、Movable Type EZではWebサーバーがnginxで、.htaccessを使うことができません。
こちらで試したところ、ダイナミックパブリッシングを使う設定にすると、従来通り.htaccessが出力されて、ダイナミックパブリッシングを使うことができませんでした。
ただ、MTDDC 2012の際に、nginxでもダイナミックパブリッシングを行うために、Dynamic Publishing Handlerを後日提供するといった話がありました。
そう遠くないうちに、Movable Type EZでもダイナミックパブリッシングが可能になると思われます。
開発の高山さんから、ダイナミックパブリッシングにも対応しているとのコメントをいただきました。
ただ、こちらのトライアル環境では、ダイナミックパブリッシングは動作していません。
DynamicMTMLに依存するプラグインをインストールしていたことが原因だと判明しました。
2-3.一部のプラグインは利用不可
前述したように、一般的なプラグインはMovable Type EZでも使うことができます。
ただし、Movable Type EZではアクセスできるディレクトリが制限されているため(前述の2-1を参照)、それ以外のディレクトリにファイルをアップロードする必要があるプラグインは、動作させることができません。
例えば、DynamicMTMLは、addonsディレクトリにファイルをアップロードする必要があります。
しかし、addonsディレクトリは使えないので、Movable Type EZではDynamicMTMLを使うことができません。