Movable Type 5β1レビュー(テーマ)

Movable Type 5の新機能の1つに、「テーマ」があります。
テンプレートなどのサイトの構造を「テーマ」としてエクスポートし、一般向けに配布したりできる機能です。

1.スタイルキャッチャー/テンプレートセットからテーマへ

これまでのMovable Typeの弱点として、テンプレートの切り替えの機能が不十分であることがありました。

Movable Type 3.3で、「スタイルキャッチャー」が標準装備になりました。
スタイルキャッチャーは、スタイルシートを切り替えて、ブログの見た目を変えられる機能です。
ただ、スタイルシートが変わるだけで、テンプレートをごっそり入れ替える機能ではありませんでした。

その後、Movable Type 4.1で、「テンプレートセット」の機能が追加されました。
ブログに対して、テンプレートセットを適用することで、テンプレートを一気に変更できる機能です。

ただ、適用前のテンプレートセットに戻す機能がありませんでした。
「テンプレートセットを試しにインストールしてみたものの、やっぱり元に戻したい」という時には、手作業でテンプレートを一つずつ元に戻すことが必要でした。

また、テンプレートセットをエクスポートする(書き出す)機能もありませんでした。
テンプレートセットを配布するには、プラグインを作ることが必要で、誰にでも作れるというものではありませんでした。

一方、Movable Type 5では「テーマ」の機能が追加されます。
既存のテーマをインストールして、ウェブサイトやブログに適用することができます。
自分で作ったテンプレート群をテーマとしてエクスポートし、一般向けに配布することもできます。
また、テーマは簡単に入れ替えられますので、テーマをとっかえひっかえすることもできるようになります。

さらに、テーマには、テンプレートだけでなく、カテゴリの構造や、カスタムフィールドの定義など、サイトの構造の情報も入れることができます。

2.テーマの適用

既存のウェブサイトやブログにテーマを適用するには、「デザイン」→「テーマ」のメニューを選びます。
インストール済みのテーマが一覧表示されますので、適用したいテーマの右端にある「適用」ボタンをクリックします。

テーマの適用

ただし、テーマを適用する際には、現在使っているテンプレート群はバックアップされません。
「テーマを試して、駄目だったら元のテンプレートに戻したい」という場合は、現在使っているテンプレート群を、あらかじめテーマとしてエクスポートしておきます。
こうすれば、試したいテーマを適用した後で、エクスポートしておいた元のテンプレート群のテーマに戻すことができます。

3.テーマのインストール

テーマは、Movable Typeのインストール先にある「themes」ディレクトリの中に保存されます。
このディレクトリの中に、テーマごとのディレクトリを作るようになっています。

配布されているテーマをダウンロードして入手し、Movable Typeにインストールすることもできます。
テーマのフォルダを、上で述べた「themes」ディレクトリの中に丸ごとアップロードすれば、テーマとして認識されます。

4.テーマのエクスポート

テーマをエクスポートするには、「ツール」→「テーマのエクスポート」メニューを選びます。
テーマ名等を設定して、「テーマのエクスポート」のボタンをクリックすると、テーマ関係のファイルが出力されます。

テーマの適用

テーマをエクスポートする際には、カテゴリの構造や、カスタムフィールドの定義も、エクスポートすることができます。
すべてのカテゴリやカスタムフィールドをエクスポートするだけでなく、一部のカテゴリやカスタムフィールドを選んでエクスポートすることもできます。

エクスポートするカテゴリの選択

テンプレートも、エクスポートする/しないを個別に選ぶことができます。

エクスポートするテンプレートの選択

テーマの出力先のディレクトリは、Movable Type 5のインストール先ディレクトリ→「themes」ディレクトリ→エクスポートの設定の「出力ファイル名」のディレクトリになります。
例えば、エクスポートの設定で、「出力ファイル名」に「sample_theme」と入力すると、Movable Type 5のインストール先ディレクトリの中の「themes」→「sample_theme」ディレクトリにテーマ関連のファイルがエクスポートされます。

エクスポートでできたディレクトリは、テーマとして一般に配布できる形の構成になっています。
ディレクトリを丸ごとダウンロードし、Zipファイル等に圧縮して、配布することがでできます。