MTを使い続ける理由(その3)

現状では、WPは個人の趣味として使うには良いですが、仕事の対象にはなりにくいと考えています。
「MTを使い続ける理由」の最後として、仕事の面からの理由を書きます。

1.WP本は売れない

私の主な仕事は、コンピュータ関連の書籍の執筆です。
そのため、常日頃から本のネタになりそうなことを探しています。

もちろん、WordPressもその候補の1つです。
過去に、出版社に「WordPressの本はどうでしょう」と打診したこともあります。
しかし、「他社の本もあまり売れていないので・・・」というお返事でした。

現状のMTはCMS化が進み、Web制作会社など、仕事で使っているユーザーが多くなっています。
クライアントからのさまざまな要望を実現するために、情報収集は欠かすことができません。

一方のWPは、個人のブロガーがユーザーの主体であると思います。
仕事で使っているユーザーに比べると、「情報収集する必要に迫られる」という事態にはなりにくいでしょう。
このような差が、WP本が売れにくいことにつながっているのではないかと思います。

2.WPは収益に結び付きにくい

現状のインターネットの世界では、サービスを無償で提供する代わりに、広告で収益を上げるというのがよくある形です。
特に、個人向けサービスではこの形態が多いです。

逆に言えば、個人を対象にサービスそのものに対価を求めるのは、困難であると言えます。
「無償サービスが有償化したとたんに、大半のユーザーが去ってしまう」というのは、よくあることです。
MTも、かつてライセンスの有償化で個人ユーザーの支持を減らし、それがWP流行のきっかけになっています。

前述したように、WPは個人ユーザーが多いと思います。
となると、WPを対象に何らかのサービス(サイト制作やプラグイン開発)を提供して、それを収益に結びつけるのは、なかなか難しいと思われます。

一方、MTはWeb制作会社など、ビジネスでの利用が多いです。
そのため、WPに比べると、収益に結びつけやすいと言えるでしょう。

実際、MTのメールフォームプラグインはWeb制作の方々に多くお買い求めいただいています。
また、MTのカスタムプラグインの開発依頼も、ときどきいただいています。

ちなみに、MTが個人向けブログソフトからCMS方向へ舵を切るようになったのも、収益面が大きいと思います。
SixApartは営利企業であり、収益を上げる必要があります。
となれば、収益につながる方向で開発を進めるのは、当然と言えるでしょう。

3.WPの仕事での利用にも注目

ここまでで述べたように、現状では、仕事での利用はWPよりもMTが向いています。
しかし、WPも仕事で使われることが増えつつあります。

MTがそうであったように、WPも今後はCMS化の色彩が強くなることでしょう。
WPの動向も十分にチェックしたいと思います。