どうなるアリコ

最近のアメリカの金融危機では、保険大手のAIGが破綻寸前の状況に追い込まれ、FRBから850億ドルの緊急融資を受けるという事態になりました。
融資の期限は2年と短いため、「事業を再生しながら時間をかけて返済」というわけにもいかず、資産の切り売りをするものと見られていました。

このような中で、AIGは損害保険に事業を集中することを発表しました。
また、グループ内の生命保険会社(アリコ/AIGスター生命/AIGエジソン生命)を売却する意向であることを発表しました。

AIGのプレスリリース(AIGの国内の生命保険事業につきまして)

「売却する」ということは発表されましたが、どこが買収するかは今後入札によって決まる模様です。
海外の大手生保が買収に名乗りを上げると見られています。
また、日本の保険会社の中でも、損害保険大手の東京海上ホールディングスなどが関心を持っているということです。

1990年代後半に日本で金融危機が起こりましたが、その際に国内の生命保険会社がいくつか破綻し、外資系の保険会社によって買収されました。
しかし、買収されたのはいずれも下位の保険会社だったので、日本の生命保険業界に与えた影響は、それほど大きくはありませんでした。

一方、アリコの日本法人であるアリコジャパンは、国内生保大手4社(日本生命/第一生命/明治安田生命/住友生命)に続いて、日本の生保業界の第5位です。
これだけの保険会社が売却されるとなると、日本の生保の業界地図が大きく塗り替えられることになります。

なお、AIGのプレスリリースによると、生命保険事業が売却されたとしても、既存の契約内容には影響はないということです。
売却がうまく進めば、「アリコジャパンが破綻して保険の内容が削減される」という事態は避けられそうです。