王子製紙vs.北越製紙

昨日、王子製紙が北越製紙に対してTOB(株式の公開買い付け)を行うことを発表しました。
買い付けの期間は8月2日から9月4日で、1株800円で買い付けます。
一方の北越製紙はTOBに反対していて、買収防衛策を発動するために、第3者の委員会に検討を諮問し、攻防が激化しています。

ライブドアや楽天など、このところは新興企業による株の買占めが話題を呼びました。
ところが、王子製紙は昔からある企業で、そのような会社が同業他社に対してTOBを行うというのは、日本では珍しいケースです。

北越製紙は印刷用紙に強く、王子製紙は北越製紙を買収することでその分野を強化できるというメリットがあります。
今後は、今回の事例のように、ある企業が自分の弱い分野を補完するために、他の企業をTOBで買収するというパターンが増えそうです。

何かの分野に強みを持ち、業績や財務がまずまず良い企業であれば、今回のようにTOBのターゲットにされることが考えられます。
TOBの際には通常は時価よりも高い価格で買い付けが行われますので、TOBのターゲットになりそうな企業を探して、その株を買っておくというのは、これからの株式投資の戦略の1つになるでしょう。