WCAN 2009 Summer CMS特集終了

昨日(8月8日)に、名古屋の国際会議場にて、WCAN 2009 Summer CMS特集が開催されました。
私も参加しましたので、レポートをアップします。

1.導入

まず、株式会社アクアリングの平野さんから、CMS導入のメリットや、CMSを選定する上でのポイントなど、CMSの全般的な概要についてのお話がありました。

中でも、「CMSを選定する際には、できることではなく、制約に注視する」というコメントが良かったです。
今のCMSは、できることをあげていくと、どれも似たり寄ったりになりつつあります。
しかし、できないことを注意深く見てみると、それぞれのCMSの特徴が見えてくるということでした。
さまざまなCMSを実際に業務で使われているだけに、重みのあるコメントだったと思います。

2.ライトニングトーク

次に、WordPressNucleusXOOPS Cubeconcrete 5について、5分ずつのライトニングトークが行われました。
これらの4つの中で、concrete 5は日本語版が登場したばかりですが、なかなか面白そうな存在でした。
なお、WordPressのライトニングトークを、私が担当させていただきました。

3.a-blog cms

WCAN主催の有限会社アップルップルから、a-blog cmsのセッションがありました。

6月のCSS Nite LP6では、「Web製作者向けのCMS」という面で、a-blog cmsのセッションがありました。
一方、今回のWCANでは、「クライアント向けのCMS」としての、a-blog cmsの使いやすさについて解説がありました。

Movable TypeやWordPressとは異なり、あえてWYSIWYGエディタを搭載していないなど、a-blog cmsは特徴的な面があります。
しかし、データとマークアップを極力分離して、データの再利用性を高めるというコンセプトは、CMSには重要なことです。
この点は、Webの特性を知らない一般のクライアントには理解してもらいにくいと思いますが、ぜひ浸透して欲しい考え方だと思います。

4.SOY CMS

SOY CMSのセッションでは、SOY CMSでサイトを製作する具体的な手順が解説されました。
静的なHTMLをすばやくCMS化できるのがSOY CMSの特徴ですが、その点を強くアピールしたセッションでした。

また、ショッピングカートのSOY App(SOY CMSベースのアプリケーション)のデモもありました。
とりあえずは、クレジットカード対応を後回しにしてβ版をリリースするとのことでした。
SOY CMSと同様のテンプレートでショッピングサイトを管理できるとのことで、面白そうでした。

また、休憩時間に古荘さんと少しお話しましたが、ショッピングカートの開発が一段落したら、ドキュメントの整備にかかりたいとのことでした。
プラグイン開発のドキュメントが充実することを期待したいです。

5.bingo! CMS

bingo! CMSは、CSS Nite LP6では倍速ビデオによるライトニングトークで紹介されましたが、今回はセッション1本まるまる使っての解説でした。

今回も、CSS Nite LP6と同様に、bingo! CMSのライセンスが配布されました。
それに伴って、実際にbingo! CMSを使えるように、インストールから、基本的なサイト制作の手順についての解説がありました。
実際に使って試してみたいと思います。

6.Movable Type 5

最後に、Movable Type 5のセッションがありました。
まだ開発中の段階なので、コンセプトの紹介にとどまり、突っ込んだ話はありませんでした。

ただ、新たな情報として、管理画面のモックアップが一部公開されました。
「管理画面の階層が深くて、やりたいことにすぐにたどりつけない」という声を受けて、管理画面の見直しを行うとのことです。
Movable Type 4の管理画面はメニューが横に並んでいますが、5では縦並びに変わります。

7.まとめ

今回のWCAN 2009 Summerは、6月のCSS Nite LP6に続いて、CMSに関するイベントでした。
製品的にはCSS Nite LP6と重なるところがあり、また司会がCSS Niteの鷹野さんだったこともあって、ちょっとデジャブ感もありました(笑)。
ただ、同じ製品でも、セッションの内容はCSS Nite LP6とは違っていて良かったです。

最初の平野さんがおっしゃられたように、CMSはそれぞれに特徴があります。
そのため、サイトによって適したCMSは異なります。
1つのCMSに固執するのではなく、複数のCMSに習熟して、サイトに合ったCMSを提案できるスキルを持つことが重要です。
その導入として、今回のイベントは良かったと思います。