Kindle Paperwhiteがやってきた

Kindle Paperwhite2012年11月19日に、Amazonから電子書籍端末のKindle Paperwhiteが発売されました。

私も予約していたところ、昨日到着しましたので、使用感をレポートします。

予約したのがやや遅かったので、当初は「12月2日の週に発送予定」となっていました。
しかし、出荷が順調に進んだのか、予定より10日ほど早く到着しました。

パッケージはシンプルで、Kindle Paperwhite本体と、USBケーブル、薄い説明書の3点が入っているだけです。
ある程度充電もされていて、すぐに使い始めることができました。

文字だけの本の読みやすさ

坊っちゃんまず、文字だけの本として、夏目漱石の「坊ちゃん」をKindleストアから入手してみました。

文字の大きさ(8段階)/行間(3段階)/余白(3段階)/フォント(明朝とゴシック)の設定を変えることができ、自分に読みやすい形に変えることができます。

文字を最大にすると、漢字1文字が1cm角ぐらいになりますので、目があまりよくない方にも読みやすいと思います。

「坊ちゃん」は縦書きでルビや傍点もついていますが、表示に特に問題はありません。

画面の右下/左下をタップするか、左右にスワイプすることで、前後のページに移動することができます。
縦書きの本だと、左下タップか左→右のスワイプで次ページに移動し、右下タップか右→左のスワイプで前ページに移動します。

E-Inkなので、ページ切り替えには1秒弱の時間がかかります。
液晶と比べれば遅く感じますが、紙の本でページをめくるのとそう変わらないぐらいです。

漫画の読みやすさ

次に、画像主体の本として、漫画の「テルマエ・ロマエ」の第一巻を買って読んでみました。

ページの表示は十分に鮮明で、紙の漫画本を読むのとそう変わりない感じでした。

ただし、画像は文字とは違ってグレースケール表示が必要なので、ページをめくるたびに白黒反転の動作が入り、文字だけの本よりもページの移動に時間がかかります(1.5秒程度)。

この点には慣れが必要です。

なお、漫画本は大量の画像で構成されているため、容量を取ります。
Kindle PaperwhiteをUSB接続してフォルダを見たところ、「坊ちゃん」が約300KBであるのに対し、「テルマエ・ロマエ」は約25MBありました。

PDFの読みやすさ

Kindle PaperwhiteにPDFファイルをコピーして読むこともできます。
ためしに、拙著「Movable Type 5.1 Webサイト製作ガイドVolume 1」のiPhone用を入れてみました。

文字は特に問題ありませんが、文中の画面コピーがつぶれてかなり見づらくなりました。
画面コピーは解像度があまり高くなく、それを拡大/縮小し、さらにグレースケールに変換して表示するため、どうしてもつぶれてしまいます。

また、「Movable Type 5.1 Webサイト製作ガイドVolume 1」のiPhone用PDFは、700ページを超える分量があります。
そのためか、読み込みに10秒程度時間がかかり、またページをめくっていくうちに「メモリ不足」というエラーが出ることがありました。

「自炊したPDFをKindle Paperwhoteで読みたい」という方もいらっしゃると思います。
上記のことから考えると、スキャンする際の解像度を高くしつつ、ファイルサイズは抑える必要があると思います。

ライトのムラ

Kindle Paperwhiteには、ライトの機能があり、画面の明るさを25段階で変えることができます。
ただ、画面の下端の方にライトのムラが若干できます。
人によってはムラが気になるかもしれません(Amazonのレビューを見ると、ムラを気にしている人もいます)。

小説や漫画には良い

小説のような文字だけの本や、漫画の単行本を読むには、Kindle Paperwhiteはちょうど良い感じの端末だと思います。
Kindle Paperwhiteは漫画の単行本と同じぐらいの大きさであり、また小説や漫画やグレイスケールでも十分です。

一方、B5やA4などの大きいサイズの本には、あまり適していないと言えるでしょう。
これらの本は、現状ではiPad等の10インチクラスのタブレットが向いていると思います。
また、カラーの本を読む場合も、現状ではタブレットの方が良いです。
当面は、読む本に応じて、端末を使い分けることになると思います。