日本国債格下げ

昨日(2011年1月27日)、格付け会社のS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が、日本国債の格付けを「AA」から「AA-」に一段階引き下げました。

S&Pは、格付け引き下げの理由として、民主党への不信や、衆参でのねじれ現象などによって、今の状況では財政を再建できないいと考えていることをあげました。
また、菅総理大臣は、格下げに対して「そのニュース、今初めて聞いた。今本会議から出てきたばかりで、そういうことに疎いので、ちょっとまたあらためてにさせてほしい」と述べたとのことです。
後になって、「疎い」という言葉について、「情報が入っていなかった」という意味で使ったと釈明していましたが、「格付けについてよく知らない」という意味でとらえられていて、失言を言わざるを得ないでしょう。

他の国だと、国債が格下げされると、その国に対する不信から、国債が売られて通貨が下落することが多いです。
昨日の格下げでも、円が一時売られて、1時間ほどの間に82円台から83円台まで1円ほど円安になりました。

ただ、他の国とは違って、日本の国債は日本国内の投資家(銀行等)が大半を保有しています。
そのため、為替については格下げの影響はそう大きくはないと見る向きが多いようです。
昨日も、一時的に円安になったものの、また円は幾分買い戻されて、この記事を書いた時点では82円60銭あたりでした。

もっとも、今日(2011年1月28日)は、日経平均株価が前日比で118.32円下落し、終値では10,360.34円でした。
1月中旬から日経平均株価は徐々に下落傾向でしたが、国債格下げが追い打ちをかける形になっています。
政治にしっかりしていただきたいところですが、今のままでは期待薄です。