相続税の引き上げ

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政府税制調査会が、相続税を引き上げる方針であることが、11日に発表されました。

相続税最高税率55%に引き上げ、政府税調方針

相続税は、大まかには以下のような手順で計算します。

  • 1.相続財産から「基礎控除」と呼ばれる額を引きます。
  • 2.1.の総額を、各法定相続人が法定相続分を相続したものと仮定して按分します。
  • 3.2.で按分したそれぞれの額に対して、相続税率をかけて、相続税の計算の元となる額を計算します。
  • 4.3.の相続税の計算の元となる額を合計して、相続税の総額を求めます。
  • 5.4.の相続税の総額を、各相続人の実際の相続額に応じて按分します。

これまでは、相続税率の上限は50%(課税標準が3億円超の場合)で、税率は6段階でした。
これを変えて、上限を55%に引き上げ、段階も8段階に細分化するということです。

税率を上げるだけでなく、基礎控除も縮小します。
これまでは、5,000万円+法定相続人数×1,000万円だったのを、3,000万円+法定相続人数×600万円に縮小するとのことです。

基礎控除が縮小されることで、相続税の課税対象になる件数が増えます。
これまでは、相続件数の4%程度だったものが、6%程度になるとのことです。

ネットで反応を見ていると、「都会で家を持っている人だと、相続税の対象になるのでは」といったことを感じた人がいたようです。
ただ、相続財産の評価は時価と同じではない(時価の6~7割程度)ですし、また配偶者控除の制度もあります。
また、婚姻後20年を経過すれば、配偶者に居住用不動産(またはその購入資金)を贈与する際に、2000万円の控除を受けられる特例もあります。
これらの仕組みを活用してうまく相続すれば、そう簡単には相続税の課税対象にはならないはずです。
とはいえ、課税対象がある程度広がることは確かで、制度の詳細がどうなるかをよく見る必要があります。