混乱する株式市場

今日の東京株式市場では、昨日に引き続いて株価が大幅に下落しました。
日経平均株価の終値は、昨日から331.10円下落して10.364.59円でした。

昨日のアメリカ市場で、一時的にニューヨークダウが1,000ドル近く下落し、10,000ドルを割る場面がありました。
ギリシャ問題で市場が揺れている中で、誤発注と思われる現象でP&G株が37%も下落するなどして混乱が拡大し、一時的な大幅安につながりました。
その後急反発したものの、ニューヨークダウの終値は347.80ドル安の10520.32ドルでした。
ナスダック市場とニューヨーク証券取引所では、午後2時40分~3時の間で、株価が異常な水準だった間の一部の取引を無効にするという異例の措置も発表されました。

為替も乱高下し、一時は円高が進みました。
ドルは一時87円台、ユーロも一時110円近辺になりました。
その後はリバウンドが起こって、ドルは92円台、ユーロも117円台まで戻しています。

1987年10月19日に、アメリカで「ブラック・マンデー」と呼ばれる暴落が起きたことがあります。
わずか1日に、ニューヨークダウが22.6%も暴落しました。
その原因は、コンピュータによる自動売買によって、売りが売りを呼ぶ展開が止まらなくなったことです。

昨日の急落では、「アルゴリズム取引」の問題が指摘されています。
アルゴリズム取引を大まかに言うと、コンピュータによって最適な売買を判断し、自動的に注文を出す取引です。
昨日の例では、誤発注の影響でアルゴリズム取引が「売り」と判断したことが、株価急落を招いた模様です。

ブラック・マンデーや、昨日の例のように、コンピュータを使った自動取引は、平常時にはうまく動くようにプログラミングされているはずです。
しかし、突発的な事象まで十分にカバーできるかというと、100%ではないと思います。
そのため、昨日のように市場が大きく荒れると、その「荒れ」を増幅してしまうことが起こりえます。

前述したように、アメリカでは一部の取引は無効になりますが、無効にならない取引ももちろんあります。
無効にならない取引で多額の損失を負った投資家も多いと思われます。
昨日の影響が尾を引いて、市場が混乱する状態がしばらく続きそうです。