ギリシャとポルトガルの長期債務が格下げ

格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)が、ギリシャの長期債務の格付けを「BBB+」から「BB+」に3段階引き下げました。
また、ポルトガルの長期債務も「A+」から「A-」に2段階引き下げました。
この引き下げによって、為替や株価に影響が出ています。

債券の格付けでは、BBB以上が投資適格で、それより下はジャンク(投機的)とみなされます。
ギリシャのBB+も投機的水準にあたります。

ギリシャの問題は以前から出ていて、解決に向けた取り組みが行われているものの、まだまだ不透明な状況です。
そのため、長期債務が格下げされることは、ある程度は予想はできたことだと言えます。
ただ、為替や株価へのショックは、避けられなかった形になりました。

まず、ユーロが他の通貨に対して下落しています。
円もユーロに対して買われていて、円高ユーロ安になっています。
ここしばらくは1ユーロ=125円前後でしたが、今日(4月28日)は122円台までユーロが下落しています。

また、ヨーロッパはもちろんのこと、世界各国の株式市場が下落しています。
アメリカでは、ニューヨークダウが213.04ドル安の10,991.99ドルになり、11,000ドル台を割りこみました。
また、日経平均株価も大きく下げて、287.87円安の10,924.79円になり、11,000円台を割り込みました。
今年に入ってから2番目の大幅下落になりました。
このところ株価に伸び悩み感がありましたが、そこにさらに冷や水をあびせられました。

2008年の金融危機の余波は、そう簡単には収まらないようです。