OracleがSunを買収

米国時間の4月20日に、米Oracle社が、米Sun Microsystems社1株あたり9.5ドルで買収することで合意したと発表されました。
買収総額は74億ドルに上ります(4月21日の為替レートで換算すると、日本円で約7,250億円)。

IBMもSunを買収しようとしていましたが、金額面で折り合わず、この話は先日決裂したばかりでした。
それからごくわずかな間にOracleが突如浮上し、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOですら驚くような買収劇となりました。

Oracleは世界的にデータベースのソフトウェアで高いシェアを獲得している企業です。
ただ、ハードウェアの分野ではあまり活躍していません。
1996年に、「NC」(Network Computer)を発表してハードウェアにも参入しかけたことがありましたが、NC自体が失敗に終わっています。

一方のSunは、かつてはワークステーションの分野で高い人気を持っていました。
また、プログラム言語のJava(1995年に公式発表)を生んだ企業でもあります。
Javaは現在では幅広い分野で活用されています。

OracleとSunは、NCなどで以前から協力関係にあった企業同士です。
IBMよりも、Oracleの方がSunとうまく統合できそうな雰囲気があります。

また、OracleはSunを買収したことによって、ハードウェア分野などの弱い点を補強できます。
Oracleは昨年「Oracle Exadata」というデータベースサーバーのハードウェアを発表したりしていますので、Sunを利用してハードウェア面の製品ラインアップをより強化することが考えられます。

1つ気になる点として、「MySQLがどうなるか」ということがあります。
MySQLはオープンソースのデータベースソフトの中で高いシェアを持っていますが、昨年にSunに買収されたばかりです。
そのSunをOracleが買収すると、社内でOracleとMySQLが競合関係になります。
Oracleが今後MySQLをどう扱っていくかは、注目すべき点だと言えるでしょう。

また、MySQLを開発したMichael Widenius氏は、Sunとは折り合いが合わず、先日Sunを退職したばかりです。
現在では、Michael Widenius氏はMonty Program Abという新会社を立ち上げて、MySQLの新しいストレージエンジンの「Maria」や、MySQLにMariaを組み込んだ「MariaDB」を開発しています。
MySQLとMariaDBとの関係も、今後どうなっていくか注目したいところです。