「WordPressで学ぶPHP(3)関数編」を発売しました。
本書は「WordPressで学ぶPHP(1)変数・制御構造編」「WordPressで学ぶPHP(2)データ構造(配列・オブジェクト)編」の続編にあたり、PHP組み込みの関数や、独自の関数を作る方法などを解説します。
Kindle本で、定価400円です。
MTを使い続ける理由(その2)
一昨日に引き続いて、私がMTを使い続ける理由を書きます。
今日は、開発面から見た理由です。
1.プラグインでのデータベースアクセスの容易さ
MTもWPも、プラグインを使って機能を拡張することができます。
WPはプラグインが多く、プラグインを使っていろいろカスタマイズしたい方には、楽しいと言えるでしょう。
ただ、プラグインの「作りやすさ」という点では、WPはあまり良くありません。
MTはオブジェクト指向のプログラムになっています。
データベースのデータを読み書きする場合、その処理はオブジェクトの内部で行われ、データベースの存在をそれほど強く意識する必要がありません。
特に、SQLを書かずにデータをアクセスできるので、この点はかなり楽です。
一方、WPはオブジェクト指向ではなく、昔ながらのプログラミングスタイルがとられています。
また、データベースへのアクセスも、SQLを直接に実行する形がとられています。
これらの点から、WPでプラグインを作ろうとすると、MTよりも手間がかかります。
2.プラグインからの各種ライブラリの利用
Perlには「CPAN」というライブラリがあります。
一方、PHPに「PEAR」や「PECL」のライブラリがあります。
MTはPerlで作られていますが、CPANのライブラリをかなり利用しています。
一方、PHPは既存のライブラリはほとんど使わず、大半の処理を自前で行っています。
ライブラリを使っているWebアプリケーション場合、サーバーにそのライブラリがインストールされてないと、そのWebアプリケーションインストールできない、という問題が起こります。
また、ライブラリのバージョンが合っていないと、Webアプリケーションをインストールできても正しく動作しない、ということも起こります。
MTにはこのようなトラブルがあるのも事実です。
一方、WPはライブラリを使っていないので、MTよりもサーバーを選ばないと思われます。
ただ、プラグインを開発する場合、ライブラリが使えないと手間がかかります。
MTであれば、複雑な処理でも、既存のライブラリを利用して簡単に済ませることができることが多々あります。
一方のWPでは、そのような処理を自分で書くか、あるいは自分でPEARからライブラリをダウンロードして組み込むなどの方法を取ることになります。
3.Webアプリケーションフレームワークとしての利用
MTは一般の方には「ブログツール」として認識されていると思います。
しかし、ブログツールは表向きの顔であって、実際には「Webアプリケーションフレームワーク」と言っても過言ではありません。
Webアプリケーションを作る際には、既存のテーブルにフィールドを追加したり、独自のテーブルを作ることも多々あります。
MTではこれらの処理を行う機能があって、SQLを書かなくても、フィールドの追加やテーブルの追加が可能です。
また、追加したフィールドやテーブルを、MTの既存のオブジェクトと同じように扱うことができます。
一方のWPは、ブログツールから外れた使い方をすることは、あまり想定していないように見えます。
フレームワーク的な使い方をするのは、不可能ではないですが、MTに比べると手間がかかるでしょう。
4.PHP対Perl
WordPressを使う理由として、「PHPで作られているから」ということもよくあげられます。
PHPはWeb系の開発のために作られたプログラム言語であり、比較的とっつきやすいです。
一方のPerlは、Web系の開発にも使えますが、それ専用の言語ではありません。
また、記号を多用したり、他の言語と似た構文でも微妙に書き方が違ったりなど、文法にクセがあります。
このようなことから、Perlを敬遠する人は多いようです。
かく言う私も、昔はPerlは苦手で、PHPの方が好きでした。
しかし、MTを始めてプラグインを作るようになってから、Perlの面白さに目覚めました。
今ではPHPよりPerlの方が好きです。