ドル高商品安

昨年夏以来、サブプライムローン問題の影響で、アメリカの経済に対する不安が高まり、ドルが下落していました。
その一方で、原油をはじめとする商品が急騰していました。

しかし、このところこの流れが逆転しつつあります。

今年3月に世界的に株価が大きく下落しました。
そのときにはドル安も大きく進み、1ドル=95円台という非常なドル安水準になりました。
ドルは円に対してだけでなく、ユーロ等の他の主要な通貨に対しても安い状況でした。

ところが、その後はドルは円に対してじりじりと値を上げる展開になっていました。
6月から7月にかけて株価がまたもや下落しましたが、その頃にもドルはさほど動きませんでした。

そして、最近になって、ドル高の傾向がより鮮明になってきました。
しばらくの間、1ドル=108円あたりが壁になっていましたが、その壁を破り、ここ数日は1ドル=109~110円台で推移するようになりました(今日は108円台になっていますが)。
他の主要通貨に対しても、このところドル高が進んでいます。

また、ドルが高くなるにつれて、商品高が幾分緩和されました。
例えば、原油は6月11日に1バレル=147.27ドルの史上最高値をつけましたが、その後急落し、現在は1バレル113ドル程度まで下がっています。

原油の値下がりは短期かつ一方向に進んでいますので、再度上昇する可能性もあります。
しかし、これだけ大きく値が崩れたとなると、147.27ドルの高値を抜き返すのは、そう簡単にはいかないのではないかと思われます。

このまま石油等が下落すれば、インフレに苦しむ世界経済にとって良いことです。
この流れが続くのかどうかが、今後の市場動向を占う上で大きなポイントになりそうです。

ただ、商品が値下がりしたことで、高金利な資源国通貨(オーストラリアドルなど)も全体的に安くなっています。
FXでこういった通貨を多く買っていた人にとっては、厳しい展開です。