「WordPressで学ぶPHP(3)関数編」を発売しました。
本書は「WordPressで学ぶPHP(1)変数・制御構造編」「WordPressで学ぶPHP(2)データ構造(配列・オブジェクト)編」の続編にあたり、PHP組み込みの関数や、独自の関数を作る方法などを解説します。
Kindle本で、定価400円です。
Movable Type 4 βレビュー(その4・テンプレート関連)
Movable Type 4では、標準テンプレートの構造も変わっています。
また、テンプレート・タグもいろいろと追加されています。
今日はこれらについてレビューします。
1.標準テンプレートのモジュール化
Movable Typeには、従来より「テンプレート・モジュール」という機能がありました。
この機能を使えば、複数のテンプレートで共通する部分をテンプレート・モジュールにまとめることができました。
ただ、これまでのMovable Typeの標準テンプレートでは、テンプレート・モジュールはまったく活用されていませんでした。
たとえば、メインページのテンプレートとカテゴリー・アーカイブ・テンプレートや日付アーカイブ・テンプレートには、共通する部分が多いです。
しかし、それらの共通部分はモジュール化されておらず、それぞれのテンプレートに同じ記述がある状態でした。
一方、Movable Type 4では、標準テンプレートのモジュール化が進められています。
共通部分はテンプレート・モジュールになっていて、メインページ等のテンプレートはテンプレートモジュールを取り込むという仕組みになっています。
↓モジュール化されてシンプルになったメインページのテンプレート
なお、従来どおり、テンプレート・モジュールを使わないでテンプレートを作ることもできます。
2.Widgetがテンプレート・モジュールから独立
Movable Type 3.3でWidget Managerプラグインが標準装備になりましたが、Wigdetのテンプレートはテンプレート・モジュールを流用する仕組みになっていました。
これも変更され、Widgetはそれ専用のテンプレートとして管理されるようになりました。
3.テンプレート・タグの書き方の変化
これまでのMovable Typeでは、テンプレートタグの大文字/小文字が区別されていました。
一方、Movable Type 4では、テンプレートタグの大文字/小文字の区別がなくなり、すべてを小文字で書くことができます。
また、「mt:entries」のように、XMLのネームスペース風にテンプレート・タグを書くこともできます。
さらに、テンプレート・タグのアトリビュートに変数(MTSetVar等で割り当てたもの)を使うことができるようになりました。
アトリビュートに変数を指定するには、「$変数名」のような書き方をします。
たとえば、以下のような書き方をすることができます。
<MTSetVar name="lastn" value="10"> <MTEntries lastn="$lastn"> ・・・ </MTEntries>
従来であれば、このような処理にはMTTagInvokeプラグインを使っていましたが、それが不要になることになります。
4.変数の活用
前述したように、Movable Type 4ではテンプレート・タグのアトリビュートに変数を使うことができますが、それ以外にも変数関連の機能が強化されています。
まず、「MTIf」というタグが追加されています。
これらは、変数の値によって処理を分ける際に使います。
たとえば、変数some_varの値が1かどうかで処理を分ける場合だと、以下のように書くことができます。
<MTIf name="some_var" eq="1"> 変数some_varの値が1のときの処理 <MTElse> 変数some_varの値が1でないときの処理 </MTIf>
条件判断の際には、等しい(eq)以外に、等しくない(ne)や大きい(gt)などの処理を行うこともできます。
なお、上の例にもあるように、<MTElse>タグに対する</MTElse>タグは不要になっています。
MTIfタグと同様のタグとして、「MTUnless」というタグも追加されています。
これは、MTIfタグと条件を逆に判断するものです。
5.その他のタグ
ここまでにあげたほかにも、ページ関係やフォルダ関係など、いくつかのタグが追加されています。