「WordPressで学ぶPHP(1)変数・制御構造編」が発売されました。
「WordPressで学ぶPHP」シリーズの第1巻で、WordPressを通してPHPを学んでいく本です。
この本では、PHPの基本となる変数と制御構造について解説します。
Kindle本で、定価500円です。
Movable Type 3.34をFastCGIで動作させる手順
※メールフォームプラグインV1.20の解説の続きは、明日以降に順次行います。
Movable Type 3.34日本語版がリリースされましたが、「FastCGI化が容易になった」という特徴があります。
そこで、当方がテストした際のFastCGI化の手順の概略を紹介します。
なお、サーバーやApacheのバージョン等によって、細かな点は異なることもありますので、その点はご容赦ください。
1.テスト環境
当方では、以下の環境で動作をテストしました。
OS | Fedora Core 6 |
---|---|
Apache | Apache 2.0.59 |
Apacheはソースからコンパイルして、デフォルトのディレクトリ(/usr/local/apache2)にインストールしました。
また、FastCGIのモジュール(mod_factcgi)はDSOでApacheに組み込みました。
2.libtoolのコンパイル
後でFastCGIのApache用のモジュールを作りますが、その際に「libtool」というツールを利用します。
Apacheにlibtooolが含まれていますが、バージョンが合わないのか、うまく動作しませんでした。
そこで、こちらからlibtoolの最新版(現状では1.5.22)をダウンロードして、以下のようにコンパイルします。
tar xvzf libtool-1.5.22.tar.gz cd libtool-1.5.22 ./configure make su make install
そして、「cp /usr/local/bin/libtool /usr/local/apache2/bin」として、コンパイルされたlibtoolを、Apacheのbinディレクトリにコピーします。
3.FastCGIのインストール
次に、FastCGIをインストールします。
こちらからFastCGIの最新版(現状ではfcgi-2.4.0.tar.gz)をダウンロードして、以下の手順でインストールします。
tar xvzf fcgi-2.4.0.tar.gz cd fcgi-2.4.0 ./configure make su make install
4.mod_fastcgiのインストール
次に、Apacheのmod_fastcgiモジュールをインストールします。
先ほどのFastCGIのダウンロード元に、mod_fastcgiのファイルもありますので(現状ではmod_fastcgi-2.4.2.tar.gz)、それをダウンロードします。
そして、以下の手順でインストールします。
tar xvzf mod_fastcgi-2.4.2.tar.gz cd mod_fastcgi-2.4.2 cp Makefile.AP2 Makefile make su make install
5.ディレクトリの作成
FastCGIを動作させるために、root権限で以下のコマンドを実行して、ディレクトリを作って書き込み可能にしておきます。
cd /tmp mkdir fcgi_ipc chmod 707 fcgi_ipc mkdir fcgi_ipc/dynamic chmod 707 fcgi_ipc/dynamic
6.Apacheの設定の書き換え
次に、Apacheの設定ファイル(httpd.conf)に以下のような記述を追加します。
LoadModule fastcgi_module modules/mod_fastcgi.so <IfModule mod_fastcgi.c> FastCgiIpcDir /tmp/fcgi_ipc/ AddHandler fastcgi-script .fcgi FastCgiConfig -autoUpdate FastCgiConfig -maxProcesses 5 </IfModule>
この後、Apacheを再起動します。
これで、拡張子が「.fcgi」のファイルは、FastCGIとして動作する状態になります。
7.Perlのモジュールのインストール
FastCGIでPerlのCGIを動作させるために、以下のようにして、「FCGI」と「CGI::Fast」をインストールします。
su perl -MCPAN -e shell install FCGI install CGI::Fast exit
8.mt-config.cgiの書き換えとCGIのリネーム
次に、mt-config.cgiに以下のような記述を追加して、Movable Typeの各CGIをFastCGIで動作させるようにします。
AdminScript mt.fcgi CommentScript mt-comments.fcgi TrackbackScript mt-tb.fcgi SearchScript mt-search.fcgi
また、上記の記述に合わせて、mt.cgiをmt.fcgiにリネームするなどします。
9.FastCGI化したMovable Typeを利用する
ここまでで、Movable TypeのFastCGI化は完了です。
「http://Movable Typeのインストール先/mt.fcgi」にアクセスすると、FastCGI化したMovable Typeを利用することができます。
なお、CGIの名前が変わりましたので、テンプレート内の「<$MTAdminScript$>」等のタグの値も変わります。
テンプレートをすべて再構築して、それらのタグの値を更新する必要があります。
また、プラグインをインストールするなど、Movable Typeのシステムに何か変更を加えたときには、Movable Typeのディレクトリに入って「touch mt.fcgi」のコマンドを実行し、mt.fcgiのタイムスタンプを更新します。