キリンビールがメルシャンをTOB

昨日(11月16日)、キリンビールがメルシャンに対してTOB(公開株式買い付け)を行って、メルシャンを子会社化することに合意したと発表しました。
キリンのワイン事業をメルシャンに移す一方、メルシャンのチューハイ等の事業をキリンに移し、国内最大の酒類メーカーグループになることが目的です。

キリンの発表資料
メルシャンのニュースリリース

TOBは1株370円で行うと発表されました。
昨日(11月16日)のメルシャンの終値は262円で、TOB価格は時価を大幅に上回っています。
そのため、今日(11月17日)はメルシャンはストップ高の342円まで値上がりしました。

メルシャンはワインや中国酒では強いですが、それ以外の酒類ではマイナーです。
一方、キリンはビールや缶チューハイでは強いですが、ワインは手薄でした。
したがって、今回のTOBが無事に成立すれば、シナジー効果が出るものと思われます。

もっとも、個人的には、メルシャンの缶チューハイ等の事業がキリンに集約されることには、やや不安があります。
メルシャンは、缶チューハイ等ではマイナーではありましたが、他社が出さない(出せない)ような商品があって、独自性がありました。
一方のキリンは、基本的には冒険はせず、万人受けする商品を出す傾向があります。
となると、メルシャンの缶チューハイ等の商品は整理されるのではないかと思われます。

特に、「本搾りチューハイ」がどうなるかが気になります。
本搾りチューハイは、糖類や香料などの添加物を使わずに、果汁とウォッカだけで作っているというシンプルさが特徴です。
万人受けはしない商品ですが、根強いファンがいるのではないかと思います。かく言う私も、缶チューハイの中で本搾りチューハイがもっとも好きです。
本搾りチューハイはメルシャンの缶チューハイの主力で、この商品がキリンでどう扱われるかに注目したいです。