くるり「NIKKI」

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NIKKI(初回限定盤DVD付)Singer Songerへの参加や、シングルの連続リリースなど、今年のくるりは大活躍でした。
その締めくくりとして、ニューアルバムの「NIKKI」が発売されました。

前作の「アンテナ」は、どちらかと言えばブルーな曲調のものが多かったです。
しかし、今年の最初のシングルの「Birthday」は非常に明るくポップな曲で、「アンテナ」とは路線の違いが際立っていました。
その後に発売されたシングルも、それぞれで路線が違い、どのようなアルバムになるのか予想がつきませんでした。

「NIKKI」を入手して何度も聞いてみましたが、シングルの路線を継承して、軽快なポップロック系の曲が並んでいます。
ちょっと切ない「Baby I Love You」や、爽快なギターロックの「Superstar」、そしてノリの良い「お祭りわっしょい」など、バラエティに富みつつも、質の高い曲が揃っていると思います。

ただ、個人的には、「悪くはないが今ひとつ物足りない」という印象を持ちました。
初期のくるりの曲には、頭をガツーンとやられるようなすごいものがありました。
例えば、メジャーデビュー曲の「東京」は、他にはないコード進行と、今風ではない歌詞が渾然一体となっていて、インパクトが強いものでした。
しかし、今回のアルバムではそういった衝撃はなく、「聞きやすいが引っ掛かりが少ない」です。
Amazonのレビューを見ても、評価する声が多い一方で、私と同様の感想を持っている人も何人かいました。

今回のアルバムは、映画のサントラを除くと6枚目になります。
これまでのくるりは、さまざまなサウンドを取り入れて、アルバムごとに作風を変えてきました。
「NIKKI」が出たばかりで何ですが、次の作品ではまた作風をがらっと変えて、意表をついて欲しいです。