「デフォルト」の由来

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コンピュータ業界では、「デフォルト」(default)という言葉は「標準設定」のような意味で使います。
今では、日常生活の中でも、「それが当然」というような意味で「デフォルト」という言葉を使っている人もいるようです。

ところが、英和辞書で「default」を引くと、「約束を実行しないこと」「裁判に出ないこと」といった意味が載っています。
また、「債務不履行」といった意味もあって、金融業界ではこの意味で使うことが多いです。例えば、「A社が倒産して、A社の社債がデフォルトした」というように使います。
最近の辞書だと、「コンピュータ用語で『標準設定』」ということが書かれている場合もありますが、一昔前の辞書だとそういう記述はありません。

ネット上のコンピュータ用語辞典をいくつか調べてみましたが、コンピュータ業界で「デフォルト」がなぜ「標準設定」という意味で使われるようになったのかは、明確ではありませんでした。
ただ、おそらくは、「C言語のdefault」が由来なのではないかと思います。

C言語はプログラム言語の1つで、非常にポピュラーなものです。その構文の1つとして、「switch」というものがあります。
switchは条件判断を連続的に行う構文ですが、「どの条件も満たさなかった場合」の処理を、「default」の部分に書きます。
「約束を実行しない」=「条件に当てはまらない」というようなつながりで、「default」の構文ができたのではないかと思います。
そして、「条件に当てはまらない」=「何も指定していない場合の標準値」というようなつながりで、「default」=「標準設定」という意味で使われるようになったのではないかと思います。

上に書いたように、「C言語の『default』が、コンピュータ用語の『デフォルト』の由来である」というような文をどこかで読んだような記憶もありますが、定かではありません。
どなたかご存知の方がいらっしゃれば、ぜひ教えていただきたいです。