Tinker Boardの基本的な使い方(その7・Webサーバーとして使う)

Tinker BoardはLinuxが動作するコンピュータなので、Webサーバーとして使うこともできます。
今回は、ApacheとPHPをインストールする手順を紹介します。

1.Apacheのインストールと初期設定

まず、WebサーバーとしてApacheをインストールします。

1-1.Apacheのインストール

Apacheをインストールするには、ターミナルを起動して、以下のコマンドを実行します。

sudo apt -y install apache2

1-2.Apacheの起動と自動起動

まず、以下コマンドを実行して、Tinker Boardの起動時にApacheも起動するようにします。

sudo systemctl enable apache2

次に、以下のコマンドを実行して、Apacheを起動します。

sudo systemctl start apache2

1-3.動作確認

Webブラウザを起動して、「http://Tinker BoardのIPアドレス/」に接続します。
例えば、IPアドレスが「192.168.1.23」の場合だと、「http://192.168.1.23/」に接続します。
以下のようなページが表示されれば、Apacheは正しく動作しています。

Apacheの動作確認

1-4.ドキュメントルートディレクトリのユーザーとパーミッションの変更

Apacheのドキュメントルートのディレクトリは、ユーザー/グループともにrootの設定になっています。
このままだと、rootユーザーでないとドキュメントルートのディレクトリにファイルを作ったりすることができません。

そこで、ターミナルで以下のコマンドを実行して、ドキュメントルートのディレクトリのグループをlinaroに変え、またパーミッションも与えます。

sudo chgrp linaro /var/www/html
sudo chmod 775 /var/www/html

2.PHPのインストール

PHPを使うことは非常に多いので、PHPもインストールしておきます。

2-1.PHP 7.0のインストール

本記事執筆時点ではPHPは5系と7系が共存しています。
ここではPHP 7.0をインストールすることにします。

このインストールは以下のコマンドで行うことができます。

sudo apt -y install php7.0

2-2.Apacheの再起動

PHPをインストールしたら、以下のコマンドでApacheを再起動して、PHPが動作する状態にします。

sudo systemctl restart apache2

2-3.PHPの動作確認

次に、PHPのphpinfo関数を実行して動作を確認します。
まず、以下のコマンドを実行して、ドキュメントルートのディレクトリにpi.phpというファイルを作ります。

echo '<?php phpinfo(); ?>' > /var/www/html/pi.php

Tinker Boardにキーボード/マウス/ディスプレイを接続しているなら、TInker Boardのデスクトップ左下の方にあるChromiumのボタンをクリックして、Chromiumを起動します。
そして、アドレスバーに「http://localhost/pi.php」と入力して、pi.phpを開きます。
また、WindowsパソコンなどとLANで接続している場合、パソコンでWebブラウザを起動して、「http://Tinker BoardのIPアドレス/pi.php」に接続します。
これでphpinfoのページが表示されれば、PHPは動作しています。

PHPの動作確認

2-4.www-dataユーザーをグループに追加

PHPのプログラムからドキュメントルートにファイルを作成できるように、次のコマンドを実行して、www-dataユーザーをlinaroグループに追加します。

sudo adduser www-data linaro