お知らせ

Movable Type 5実践テクニック2010年3月26日

Movable Type 5実践テクニック」が発売されました。
実際的なWebサイト製作事例を通して、テーマと複数ブログ活用を中心に、Movable Type 5の実践的な使いこなし方を解説しています。
Movable Typeでサイト制作をされている皆様はぜひお買い求めください。

他にも多数書籍を執筆しています。
こちらもぜひご覧ください。

MTを使い続ける理由(その1)

| コメント(9) | トラックバック(2)

最近、有力なブロガーの方が、Movable TypeからWordPressへ移行したり、移行を検討したりしています。

確かに、WordPressは一般的な個人ブロガーには適していると思います。
ただ、私の用途では、WordPressは適していない点がいくつかあります。
そのため、当ブログをWordPressに移行することはありません。

今日から数回に分けて、私がMTを使い続ける理由を書いてみたいと思います。

1.「再構築がない」ことの代償

多くの人が指摘しているように、「WPには再構築がない」点は大きいです。
「MTだと、テンプレートをカスタマイズするたびに再構築が必要で、待たされるのが嫌」という方にとっては、WPはうってつけでしょう。

また、MTでも、PHP等を駆使すれば再構築をかなり減らすことが可能です。
しかし、WPならそもそも「PHPを駆使」といった複雑なことをする必要はありません。

ただ、「再構築がない」ことには、デメリットもあります。
WPは表面的には再構築はありません。
しかし、読者がページにアクセスするたびに、動的にページが構築されています。

アクセスが少ないブログなら、この仕組みでも特に問題にはならないでしょう。
しかし、アクセスが多くなってくると、動的な再構築はサーバーにそれなりに負荷をかけます。
そのため、アクセスがきわめて多いブログだと、ページにアクセスしたときに500エラーや503エラーが出て、ページが表示されないことが起こり得ます。
また、多くのユーザーが共有しているレンタルサーバーのように、慢性的に負荷がかかっているサーバーでも、ページが表示されないことが起こり得ます。

ちなみに、IDEA*IDEAでも、WPにしたときのサーバーの負荷を問題としてあげていました
また、野田(Junnama)氏の以下の記事のたとえ話も参考になります。

WordPressとMovable Typeと動的生成と静的生成と再構築とか。

なお、個人的には、以下のような理由で再構築は特にストレスになっていません。

  • MT4.2でプレビュー機能が充実したので、テンプレートをカスタマイズする場合も、プレビューで確認できるようになった
  • MT4.2で再構築が大幅に高速化した(ちなみに、当ブログを全再構築するのにかかる時間は、およそ8分)
  • サイドバーなど、カスタマイズする頻度が高い箇所はPHP化しているため、全再構築をすること自体がほとんどない(月に1回するかしないかという程度)

2.テンプレートタグの設計思想

MTもWPも、テンプレートに基づいてブログのページを出力します。
ブログのデータは「テンプレートタグ」によって出力されます。

MTでは、ほとんどのテンプレートタグはデータのみを出力し、HTMLのタグは出力しません。
一方のWPでは、データだけでなくHTMLも一緒に出力するテンプレートタグがあります。

例えば、MTでカレンダーを出力するには、カレンダー関連のタグをいろいろ組み合わせる必要があります。
一方、WPなら「get_calendar」のタグ1つで、カレンダーが出力されます。

WPの仕組みには、テンプレートを組みやすいというメリットがあります。
しかし、データの出力方法を細かくいじれない、というデメリットがあります。

例えば、カレンダーを横1列に表示したいとします。
MTなら、テンプレートタグの組み方を変えれば実現できます。
一方のWPだと、プラグインを作るなりする必要が出てしまいます。

個人的には、WPのテンプレートタグの仕組みは、柔軟性が低いので好きになれません。

3.自動フォーマットが邪魔

WP/MTとも、記事を自動的にフォーマットして出力する機能があります。

MTだと、記事ごとにフォーマットをするかしないかを選ぶことができます。
フォーマットを「なし」にすれば、入力したものを全くフォーマットせずに、そのままブログに出力することができます。

一方、WPではフォーマットは無条件に行われます。
一般的にはそれで特に問題はありません。
しかし、記事中にJavaScriptを埋め込む時などに、自動フォーマットによってJavaScriptが動作しなかったりすることがあります。

当ブログの記事の中には、フォーマットなしで書いているものも多数あります。
MTのように、記事ごとにフォーマットをするかどうかを自由に選べないと、個人的には非常に困ります。

トラックバック(2)

トラックバックURL: http://www.h-fj.com/mt/mt-tb.cgi/1588.

MTを使い続ける理由(その1) - The blog of H.Fujimoto 続きを読む

この記事は「MTはソーシャルの夢を見るのか?」の続きです。予定では先にソーシャルメディアについて論考するつもりでしたが、先にこちらから手をつけます。 &... 続きを読む

コメント(スレッド4件,コメント9件)

コメントはスレッド表示になっています。
また、スレッドの先頭のコメントに対する返信には、先頭に矢印を表示しています。

No.1 z : (無題)

私も以前にMT/WPで悩みましたが結局MTにしました。やはり商用利用だとサポートが付くのが安心です。

No.2 Masato : 私もMTのスタティックパブリッシングが好きです

壱さん。いつも楽しく読ませていただいております。

私にとって、MTの最大の魅力は、スタティックパブリッシングです。
サーバー負荷を最低限に押さえることが出来るので「これ以上のチューニングは出来ません」とお客様に自信を持って伝えることができます(笑)

しかし、その代償と言ってはなんですが、再構築という重たい処理が必要です。再構築を嫌って、ダイナミックパブリッシングという選択肢もありますが、誰の為のコンテンツなのか?と真剣に考えると、おのずと答えは、「サイト訪問者」になります。サイト訪問者が快適に情報を閲覧できることが重要で、情報発信者は多少の我慢は必要と考えてます。

最新のMTでは、サーバーサイドインクルードを利用したり、「全再構築」をアクセスが少ない夜間に実行したりすることで、記事を保存した時の再構築を軽くすることもできます。

勉強不足で、他のCMSでスタティックパブリッシングに対応しているものを知らないのですが、しばらくはMTが一番ですね。

No.4  : Re:私もMTのスタティックパブリッシングが好きです

>Masatoさん
こんにちは。

静的再構築の重さは、ブログをある程度続ければ誰でも体感する問題です。
しかし、動的再構築によってサイトの表示が重くなることは、よほどアクセスが多くならない限り、なかなか体感しにくいです。
また、一般の個人ブロガーにとって、ブログをするのは、訪問者のためではなく、自分のためであることの方が多いと思います。
このあたりが、静的再構築のメリットが理解されにくい原因であり、ひいてはMTからWPにユーザーが流れる大きな原因の1つだと思います。

No.3 Hideki : MTのテンプレートタグが好きです

いつも記事を参考にさせていただいております。
私もMTとWP両方使用しましたが、MTのテンプレートタグの設計思想が好きですね。
WPのHTMLも一緒に出力してしまうテンプレートタグは困るときがあったり、シングルクオートで出力されるのが嫌いだったりで…。
私もMTを使い続けていきたいなと思っております。

No.5  : Re:MTのテンプレートタグが好きです

>Hidekiさん
こんにちは。

たいていの個人ブロガーにとっては、ページの見た目さえ良ければ、HTMLのタグの構造はどうでも良いことだろうと思います。
つくづく、WPは一般の個人ブロガーの好みをうまくついていると思います。

No.6 ゆりこ : 携帯対応を考えると動的生成

携帯電話対応を考えると、動的生成しか解がないと思います。
静的生成で PHP ファイルを出力し、その PHP ファイルに PC 向けコンテンツと携帯向けコンテンツを両方入れておいて、閲覧時に PC か携帯かを判断して出力を少し変化させるという手法はありますが、これは狭義的には動的生成でしょうし。

動的生成の魅力は、閲覧するデバイスにあわせて自在に出力を変化させられることです。これは、結果として閲覧者の利益にかなうと思います。

なお、WordPress のテンプレートタグは、設計がめちゃくちゃというか、あまり整理されてないのは同意します。過去の互換性を重視していて、建て増しを続けていますから。

No.7  : Re:携帯対応を考えると動的生成

>ゆりこさん
こんにちは。

確かに、携帯に対応するには、動的生成に頼らざるを得ないです。
機種ごとの細かな違いに完全に対応させるには、動的生成でないと不可能です。

ちなみに、MTには携帯対応の商用ソフトとして「ケータイキット」というものがあります。
このソフトでは、静的にPHPファイルを出力して、携帯の機種に依存する部分のみ動的に判断する手法がとられています。

静的生成で PHP ファイルを出力し、その PHP ファイルに PC 向けコンテンツと携帯向けコンテンツを両方入れておいて、閲覧時に PC か携帯かを判断して出力を少し変化させるという手法

そのような手法も取れますが、MTではテンプレートを多数作ることができますので、PC用と携帯用のテンプレートを別々に作るという手法も取れます。

No.8 ゆりこ : Re:携帯対応を考えると動的生成
MTではテンプレートを多数作ることができますので、PC用と携帯用のテンプレートを別々に作るという手法も取れます。
これの場合、PC 向けコンテンツと携帯向けコンテンツの URL が別になってしまわないでしょうか? 今後、多種多用なデバイスが出ることを考えると、URL は1つで、複数のデバイスに適用させた方がよいと思います。

もし複数テンプレートの場合でも、同じ URL にできるのならば、その方が使いやすいので理想的ですね。

No.9  : Re:携帯対応を考えると動的生成

>ゆりこさん
こんにちは。

単純にテンプレートを複数作るだけだと、URLは別になります。
どれか1つのテンプレートに、UserAgentを判断して携帯用等のページにリダイレクトする処理を入れるなどすれば、1つのURLで複数の機器に対応させることができます。

コメントする