自営業・自由業の退職金と年金(その3)・国民年金基金

自営業向きの年金制度として、「国民年金基金」は比較的よく使われています。
掛け金と給付が現時点で確定しますので、老後のプランを立てやすいのがメリットです。
また、税制上もメリットがあります。

1.国民年金基金の概要

国民年金基金は、自営業などの第1号被保険者のためのもので、国民年金に上乗せする年金を自分で積み立てるものです。
20歳から60歳までの間、保険料を掛けることができます。
月額で最大68,000円まで保険料を掛けることができます。

若いうちに入るほど、多くの額を積み立てられますので、同じ保険料なら老後に受け取れる年金額が多くなります。
例えば、30歳になったばかりの人が加入する場合、月々13,245円の掛け金を60歳まで支払うと、65歳から終身(死ぬまで)毎月3万円の年金を受け取ることができます。
また、35歳で加入して同じ年金を受け取れるようにするには、月々の保険料が16,680円になります。

2.税制のメリット

国民年金基金の掛け金は、所得税/住民税を計算する際に、全額が社会保険料控除の対象になります。
つまり、掛け金の分だけ課税対象になる所得が少なくなり、節税になります。

3.加入方法

国民年金基金には、都道府県単位の「地域型」と、職業単位の「職能型」があります。
どちらに加入しても、掛け金や年金の額は同じです。
国民年金基金連合会のホームページから、資料を請求することができます。

4.注意事項

国民年金基金に加入するには、国民年金の保険料を支払っていることが必要です。
また、国民年金基金は一度加入すると、基本的には脱退することができません。