拙著「WordPress Web開発逆引きレシピ」が発売されました。
WordPressの様々なカスタマイズについて、逆引きの形式で取り上げています。
PHP 7.0での動作確認も行っています。
管理画面の日本語をブログごとに変えるプラグイン
SuperSortプラグインに対して、「管理画面の日本語をブログごとに切り替えたい」という要望を受けました。
例えば、あるブログでは「記事」を「商品」に変える、といったことを行いたいようです。
Movable Type本体の日本語は、アルファサード株式会社様が公開している「AltL10N」というプラグインで、ブログごとに切り替えることができます。
しかし、プラグインが出力する日本語は、AltL10Nプラグインでは切り替えることができません。
そこで、管理画面の日本語を、汎用的に変えることができるプラグインを作りました。
プラグインが出力する日本語だけでなく、Movable Type本体の日本語も変えることができます。
また、日本語以外の言語を変えることも可能です。
1.インストール
プラグインは以下からダウンロードします。
ダウンロードしたZipファイルを解凍すると、「plugins」というディレクトリができます。
このディレクトリを、Movable Typeのインストール先ディレクトリにアップロードします。
2.設定のページを開く
システムまたはブログ(ウェブサイト)の管理画面で、「ツール」→「プラグイン」メニューを選び、プラグインの設定のページを開きます。
そして、OverrideL10Nプラグインの設定の箇所で、変換用辞書を入力します。
各設定画面の入力欄と、変換の対象となる部分の対応は、以下の表のとおりです。
| 入力欄 | 変換対象 |
|---|---|
| システムの「システム共通で上書きする単語」の欄 | システム・ウェブサイト・ブログ全ての管理画面 |
| システムの「システム画面で上書きする単語」の欄 | システムの管理画面のみ |
| ブログ(またはウェブサイト)の「上書きする単語」の欄 | 各ブログ(またはウェブサイト)の管理画面のみ |
なお、「システム共通で上書きする単語」の欄と、「システム画面で上書きする単語」「上書きする単語」の欄で、同じ単語に対して違う変換を指定することもできます。
その場合、「システム画面で上書きする単語」や「上書きする単語」の設定が優先になります。
3.変換用辞書の書き方
変換用辞書は、以下のようなYAML形式で入力します。
プラグインID:
言語ID:
変換元: '変換先'
変換元: '変換先'
・・・
言語ID:
変換元: '変換先'
変換元: '変換先'
・・・
プラグインID:
・・・
3-1.プラグインID
「プラグインID」には、個々のプラグインのIDを指定します。
プラグインのディレクトリにconfig.yamlファイルがある場合は、config.yamlファイルの「id:○○○」の行の「○○○」が、そのプラグインのIDです。
また、プラグインのディレクトリに□□□.plのようなファイルがある場合は、その.plファイルの「id => '○○○'」の行の「○○○」が、そのプラグインのIDです。
Movable Type本体の辞書を上書きしたい場合は、プラグインIDの箇所に「core」を指定します。
3-2.言語ID
「言語ID」には、管理画面で使う言語に応じて、以下の値を指定します。
| 言語 | 言語ID |
|---|---|
| 英語 | en_us |
| 日本語 | ja |
| フランス語 | fr |
| ドイツ語 | de |
| スペイン語 | es |
| オランダ語 | nl |
3-3.変換元と変換先
「変換元」には、各プラグイン(またはMovable Type本体)の辞書ファイルの中で、変換元の単語や文章を探して、それを指定します。
Movable Type本体の場合、Movable Typeのディレクトリ→「lib」ディレクトリ→「MT」ディレクトリ→「L10N」ディレクトリにあるja.pm等が辞書のファイルです。
また、プラグインの場合は、以下のどちらかが辞書のファイルです。
- Movable Typeのディレクトリ→「plugins」ディレクトリ→個々のプラグインのディレクトリ→「lib」
ディレクトリ→個々のプラグインのディレクトリ→「L10N」ディレクトリ→「ja.pm」等 - Movable Typeのディレクトリ→「plugins」ディレクトリ→個々のプラグインのディレクトリ→「l10n_ja.yaml」等
.pmファイルの場合は、以下のような行が多数あります。
左半分の「○○○」が変換元です。
'○○○' => '□□□'
また、.yamlファイルの場合は、以下のような行が多数あります。
左半分の「○○○」が変換元です。
○○○: '□□□'
.pm/.yamlのいずれの場合も、ファイルの中で日本語(変換先)を検索して、それに対応する変換元を見つけると良いです。
4.例
例えば、IDが1番のブログのみ、管理画面の日本語を以下のように変えたいとします。
| 対象 | 元の日本語 | 変換後の日本語 |
|---|---|---|
| Movable Type本体 | 左メニューの「記事」 | 商品 |
| SuperSortプラグイン | 左メニューの「記事」にある「カテゴリと記事」 | 商品と分類 |
左メニューの「記事」は、Movable Typeの辞書(ja.pm)の「Entries」の行によって変換されています。
また、左メニューの「記事」にある「カテゴリと記事」は、SuperSortプラグインの辞書の「Categories and entries」の行によって変換されます。
そこで、IDが1番のブログでプラグイン設定のページを開き、当プラグインの「上書きする単語」に以下のように入力します。
core:
ja:
Entries: '商品'
SuperSort:
ja:
Categories and entries: '分類と商品'
なお、管理画面に出てくる「記事」をすべて「商品」に置き換えるには、辞書ファイルの中で、「entry」や「entries」を含む行すべてを置き換える必要があります。
