Kindle Previewer 2.9でKindle for iOSのプレビューが向上

Kindleで本を出す前には、Kindle Previewerや実機で表示をプレビューすることが必要です。
ただ、これまでのKindle Previererでは、Kindle for iOS用のプレビュー機能が不十分で、出版前にプレビューすることが事実上不可能でした。
先日リリースされたKindle Previewer 2.9で、この問題が大きく改善しました。

これまでのKindle Previewerでは、iOS用のプレビューを行うと、縦書きの書籍が横書きで表示されるという問題がありました。
また、スタイルシートの再現も不十分でした。
さらに、Kindle Previewerで変換したmobiファイルをiPhoneやiPadに転送して開いても、Previewerと同様の表示になり、まともなプレビューができませんでした。

一方、Kindle Previewer 2.9では、Previewer上でKindle for iOSのプレビューはできなくなりました。
その代わりに、Kindle for iOS用のファイル(azkファイル)を出力する機能が追加されました。
EPUBファイルをKindle Previewer 2.9で開いた後、「デバイス」→「Kindle for iOS」メニューを選ぶと、azkファイルを出力することができます。
また、出力されたファイルをiPhoneやiPadに転送して、実機でプレビューすることができます。

試しに、縦書き/ルビ/傍点/縦中横を含むEPUBファイルを作ってKindle Previewer 2.9でKindle用に変換した後、azkファイルを出力して、iPhone 5で開いてみました。
すると、これらの書式をすべて表示することができました。

実機が必要という点で、Kindle Previewer 2.9はまだ十分とは言えません。
しかし、出版前にKindle for iOSでもプレビューできるようになったのは大きいです。