Six Apart Day 2011&Six Apartユーザーギャザリング2011

昨日(2011年1月24日)、東京・渋谷のシダックスビレッジにて、「Six Apart Day 2011」と「Six Apartユーザーギャザリング2011」の2つのイベントが開催されました。

Six Apart Day 2011&Six Apartユーザーギャザリング2011

Six Apart Day 2011

Six Apart Day 2011は、シックス・アパートの2011年の戦略を発表するイベントでした。
1月21日に、米SayMedia社がシックス・アパートの全株式を日本のインフォコム株式会社に売却し、資本関係が変わることが発表されたばかりで、注目のイベントとなりました。
会場はほぼ満席(定員は250人)になっていました。

シックス・アパート 2011年の事業戦略

まず、「シックス・アパート 2011年の事業戦略」と題して、関社長より今回の株式譲渡の経緯と、2011年の事業戦略についての話がありました。
すでにニュースリリースで発表されていますが、資本関係が変わったものの、シックス・アパートはおおむねこれまで通り製品やサービスを展開します。
個人向けTypePadはSayMediaから供給を受ける形になりますが、それ以外の製品・サービス(Movable Type/法人向けTypePad/zenback/sazanami)はシックス・アパートが開発・販売を続けます。

今後の戦略として、Twitter/Facebook等のソーシャル系サービスとの連携や、スマートフォン等への対応を強化することなどがあげられました。
また、Movable TypeとTypePadのユーザーインターフェースを徐々に統一したり、両製品へzenbackを統合するなど、製品間の連携を高めるということも延べられました。
さらに、昨今では「ブログは衰退しつつあるのでは」といった声があるのに対し、「書き手は確かに減っているかも知れないが、読み手は大きく増えていて、まだ重要である」といった話もありました。

Movable Typeの製品戦略

続いて、Movable Typeの製品企画担当執行役員の金子氏より、Movable Type 5についての話がありました。

このところの金子氏のセッションでは、Movable Type 5.1の新機能を中心とした話が多かったです。
しかし、今回のセッションでは、現在のMovable Typeの開発体制や、Movable Type 5の活用事例など、これまでとは違った話が大半を占めました。

Movable Typeの開発は以前から日本に移っていましたが、今回はそのことをより前面に出されていました。
また、今後は日本から世界へ打って出たいということも強くアピールされていました。

なお、すでに報じられている通り、2月15日にMovable Type 5.1のベータ版がリリースされる予定です。
現時点で機能はすべて実装されていて、今はバグ修正を行っている段階とのことです。

また、さらに次のバージョンとなるMovable Type 5.2についても、3月には要件検討のフェーズに入るとのことです。
Movable Type 5.2では、ウェブサイトなしにブログだけを単独で作る機能や、標準テーマのリニューアルなどが計画されているそうです。
要望がある方は、MTQの「MT5要望」のスレッドに投稿されると良いでしょう。

TypePad、zenback の製品戦略

3つめのセッションとして、製品企画担当ディレクターの杉田氏より、TypePadとzenbackについての話がありました。

TypePadのうち、法人向けのTypePadは日本で開発されています。
今年は、この法人向けTypePadのブランドを変更し、zenbackとの統合や、スマートフォン対応等を進めるという話がありました。

zenbackは、現在は個人向けの無償サービスのみ提供されています。
今年は、zenbackの企業向け有償サービスも提供するということです。

さらに、zenback関連の新サービスとして、「zenbackキーワーズ」も発表されました。
zenbackキーワーズは、zenback利用中のブログから記事情報を収集し、特定のキーワードに関する記事を集めて表示するサービスです。
昨日(1月24日)からサービスが開始されています。

Six Apartユーザーギャザリング2011

Six Apart Day 2011の後に、Six Apartユーザーギャザリング2011が開催されました。
シックス・アパートの製品やサービスのユーザーが集まって、飲んだり食べたりしつつ盛り上がろうというイベントです。
多くの方が参加されていました。

前半では、昨年行われた「Movable Typeコンテスト2010」の表彰式がありました。
入賞した方には、目録と、トフのぬいぐるみがプレゼントされました。

Six Apartユーザーギャザリング2011

また、後半では「2011年、「これは来ない」ネットトレンドはどれだ!?」というパネルディスカッションが行われました。
そうそうたるメンバーによるパネルディスカッションで、多くの方がステージに群がり、熱心に聞いていました。

最後に

昨年に米VideoEgg社が米SixApart社を買収して、SayMedia社が誕生しました。
ただ、SayMedia社はメディア事業にフォーカスする会社であり、Movable Typeの位置づけがあいまいになっていました。

一方、インフォコムがシックス・アパートを買収したことによって、SayMedia傘下にいるよりも、よりクリアな形になったと思います。
今のシックス・アパートの主なマーケットは法人向けの製品・サービスなので、SIerであるインフォコムの傘下に入ることで、法人相手のビジネスを行いやすくなるでしょう。
また、旧SixApartから商標権や知的財産も取得したことで、自由度が上がって、事業展開もより進めやすくなるでしょう。
関社長等のセッションを聞いた感じでも、SayMediaが誕生した時点よりも、ずっと前向きな印象を受けました。

今後の道のりは決して平坦ではありませんが、ぜひ頑張っていただきたいです。