Reader使用レポート

PRS-650
icon先日、ソニーが電子書籍リーダーの「Reader」を発売するということを記事にしました。

12月3日から予約注文が始まっていて、私も3日にPRS-650(6インチのTouch Edition)予約していました。



そのReaderが、今日(12月9日)に届きました。

早速使ってみましたので、使用感をレポートします。

全体的な印象

Reader Touch Editionは、6型ディスプレイの電子書籍リーダーです。
大きさは約12cm×17cmで、B6とほぼ同じぐらいのサイズです(文庫本より一回り大きいぐらい)。
重さは200g強なので、特に重いという感じはありません。
電車等で立って本を読むことも、特に問題なさそうです。
iPadだと、長時間手に持って本を読むには重すぎるので、この点はReaderの方が良いです。

ディスプレイは液晶ではなく、電子インクが使われています。
液晶と比べると目に優しい(質感が紙に近い)のがメリットです。
一方、ページの切り替えに1秒程度時間がかかりますので、もっさり感があります。

パソコンとのデータ交換は、「eBook Transfer for Reader」というソフトで行います。
iTunesとiPhone等との間でデータ交換するのと同じような要領で、ReaderにPDF等のデータをコピーすることができます。

また、SDカードとメモリースティックのスロットもあります。
パソコンでそれらにデータをコピーして、Readerに差し込んで使うこともできます。

PDFの表示

個人的に気になっていた点の1つとして、「PDFの表示がどの程度できるのか」という点があります。
当方では「Movable Type 5 Webサイト制作ガイド」等のPDFを販売していますので、それらのPDFをReaderで表示できるかどうかが気になっていました。

ただ、残念ながら、Readerは著作権保護されたPDFには対応していません。
当方で販売しているPDFは、パスワードで保護しているため、そのままではReaderで読むことはできませんでした。
パスワードの保護を解除してからReaderに転送すれば、特に問題なく読むことができました。

今後、ファームウェアのアップデート等で、著作権保護されたPDFにも対応するようにして欲しいです。
ちなみに、アメリカ版のReaderでは、仕様をみる限りでは著作権保護されたPDFにも対応しているようです。

EPUBの表示

もう1つ気になっていた点として、「EPUBの表示がどの程度できるのか」という点があります。
当方ではMovable Type 5用のEPUBプラグインを公開していますので、そのプラグインで作ったEPUBを表示できるのかどうかも、重要なポイントです。

Readerの仕様では、EPUBも著作権保護されたものには対応していません。
ただ、拙作のプラグインには、著作権保護の機能はありません。
そのため、拙作のプラグインで作ったEPUBは、Readerでも開くことができました。

ただ、文書内の図のサイズを自動的に最適化してくれるような機能は、残念ながらないようでした。
そのため、EPUB内にサイズの大きな図があると、ページからはみ出した形で表示されてしまいました。
この点も改善して欲しいです。

なお、アメリカ版のReaderには、日本語フォントが入っていないため、日本語を含むEPUBを表示するには、EPUBにフォントを埋め込んでおくことが必要だそうです。
一方、日本版のReaderには日本語のフォントも入っていて、EPUBにフォントを埋め込んでいなくても、日本語を表示できました。

Reader Store

Readerの発売開始に伴って、電子書籍ストアの「Reader Store」もオープンしました。

この記事を書いた時点では、10,400点ほどの電子書籍が販売されていました。
そのうち、文学が約7,000点と多くなっています。

一方、コンピュータ関連の書籍は、わずか15点でした。
また、「コミック」「漫画」といったジャンルがありません。
品ぞろえは、まだまだこれからといった感じです。

試しに、「『鉄漫』関西ぶらり列車旅」という本を購入してみました。
購入の手順は以下の通りでした。

  • 一般的なネットショップと同様に、買いたい本をカートに入れて、レジに進みます。
  • 初めて本を買う時は、Readerの認証作業を行うステップがあります。
  • 認証を終えたら、クレジットカード情報を入力して、購入を完了します。
  • 購入完了のページで、本のダウンロード手順の説明が表示されますので、その指示に従ってダウンロードし、Readerに転送します。

ダウンロードした本は、Readerでのみ読むことができます。
パソコンにもファイルは保存されますが、パソコン上で読むことはできません。
なお、ファイルは著作権保護されたXMDF形式になっていました。

通信機能がない

現行のReaderには、通信機能がありません。
したがって、本を買うには、パソコンで購入してReaderに転送する、という手順が必要です。
iTunesストアのような手軽さがありません。

アメリカでは、WiFi/3Gに対応した「Daily Edition」も発売されています。
日本ではまだReader Store等の環境が十分に整っていないので、投入を見送ったのかも知れません。
今後の展開がどうなるのか、見ていきたいと思います。