「WordPressで学ぶPHP(2)データ構造(配列・オブジェクト)編」を発売しました。
本書は「WordPressで学ぶPHP(1)変数・制御構造編」の続編にあたり、PHPの「データ構造」(配列とオブジェクト)について解説します。
配列やオブジェクトは、頭の中で考えるだけでは、イメージがつかみにくいです。本書では図を多用して、配列やオブジェクトをなるべく分かりやすく解説することを心がけました。
Kindle本で、定価250円です。
MTDDC Tokyo&Hackathonレポート
2月5日に、東京のベルサール九段にて、MTDDC(Movable Type Developers & Designers Conference) Tokyoが開催されました。
また、翌2月6日には、シックスアパートのオフィスにて、Hackathonも開催されました。
これらのレポートをお送りします。
MTDDC Tokyo
昨年11月末にMovable Type 5がリリースされ、その後にMovable Type関連のイベントがいくつか開催されています。
それらの中で、今回のMTDDC Tokyoは最大規模のイベントとなりました。
当初は100名の予定でしたが、予想を上回る応募があったとのことで、最終的には220名を超える応募があったということです。
Movable Type 5 成長するプラットフォーム
社長の関氏の挨拶の後、Movable Type 5の開発を指揮した金子氏より、「Movable Type 5 成長するプラットフォーム」というセッションがありました。
Movable Type 5の概要や、Movable Type 5の開発の背景などをお話いただきました。
背景として、リコーのGR Blogを例に挙げられました。
GR Blogのように、今ではソーシャルな形で発展するようなウェブサイトが増えています。
そういったウェブサイトを想定して、Movable Type 5を設計したといったことを話されました。
また、Movable Type 5の新機能の解説もありました。
テーマの使い方や、カスタムフィールドとカテゴリの対応付けなどについてもお話されました。
さらに、Movable Type 5の今後のプランについても、一部発表がありました。
今後は、以下のような機能を追加していきたいということでした。
- テーマやプラグインをライブラリから簡単にインストールする機能
- より柔軟なパブリッシング
- 拡張可能なリッチテキストエディタ
- PSGI::Plack等への対応
4月には5.02がリリースされる予定だということです。
また、夏には5.1のベータテストをはじめる予定だということです。
なお、セッションのスライドは、SlideShareで公開されています。
テーマの大冒険
続いて、Movable Type 5のテーマ機能を開発した澤田氏より、「テーマの大冒険」というセッションがありました。
テーマのインポート・エクスポートの基本的な操作手順から始まり、テーマの設定ファイル(theme.yaml)を直接書き換えてさまざまな情報をテーマに含める方法まで解説がありました。
Webデザイナーの方にとって、テーマはビジネスの幅を広げる可能性が高く、参加者の皆様の関心が高かったのではないかと思います。
また、澤田氏のスライド自体が、「Slidon」というテーマによって作られているということでした。
テーマの応用性の高さが現れていて、面白かったです。
なお、セッションの資料はこちらのページで公開されています。
接続後に右カーソルキーを押すと、スライドをめくることができます。
Brand New API
3つ目のセッションは、Movable Typeのエンジニアである高山氏より、「Brand New API」というお話でした。
Movable Type 5では、従来と比べて、APIの追加や変更が行われています。
以下の各APIについて解説がありました。
- ウェブサイトの操作
- リビジョンの操作
- ダッシュボードウィジェット
- UTF-8化
- パーミッションの追加
- メニューの操作
- 管理画面のjQuery化
短い時間で盛りだくさんの内容だったので、概要レベルの話ではありましたが、今後のプラグイン開発に役に立つ内容でした。
なお、スライドはこちらのページで公開されています。
シックスアパートのWebサイト管理
次のセッション、シックスアパートのサイト管理をされている広瀬氏から、サイト管理の内側についての話がありました。
シックスアパートでは、Movable Typeを使ってウェブサイトを管理されています。
31個ものブログを組み合わせて、5000ページのウェブサイトを管理されているとのことで、作業の効率化が重要になります。
そこで、サイト内の部品を細かくモジュール化したり、HTMLの書き方を統一したりなど、工夫をされているとのことでした。
モジュール化では、サイト内の多くのページに関係する部分はSSIを使い、一部のページだけに関係する部分はMTのテンプレートモジュールを使うといった、具体的な管理手法の話がありました。
スライドはこちらのページで公開されています。
フィードバックのおはなし
5つ目のセッションは、シックスアパートのQAチームの井上氏から、Movable Typeへのフィードバック方法についてのお話でした。
Movable Typeのフィードバック方法として、シックスアパートのフィードバック用フォームを使う方法と、FogBugsに直接に投稿する方法が具体的に解説されました。
おそらく、FogBugsを知っている人はそう多くはないと思いますので、今回の話は新鮮だったのではないかと思います。
また、フィードバックとして、不具合報告だけでなく、機能追加の要望も受けているとのことです。
Movable Typeに不満な点がある方は、どしどしフィードバックした方がよさそうです。
なお、セッションのスライドはこちらのページで公開されています。
ライトニングトーク
最後に、ライトニングトークが行われました。
飛び入りも含め、10名以上の方がさまざまな発表をされました。
私も、「プラグインのセミナーはいかがでしょう」というライトニングトークをさせていただきました。
予定を一時間近くオーバーし、6時間近い長丁場のイベントとなりましたが、濃い内容で非常に面白かったです。
大阪でもMTDDCが開催されましたが、そのときに出なかった話も多く、両方参加して良かったです。
Hackathon
MTDDC Tokyoの翌日の2月6日には、シックスアパートのオフィスでHackathonが開催されました。
MTDDC Osakaからだとおよそ2ヶ月ぶりではありますが、東京での開催は1年以上間が開いたと思います。
今回のHackathonでは、シックスアパートの開発スタッフの方々も含めて、15人程度が参加されました。
朝10時から夜6時までプログラミング等を行い、その後に各自が成果を発表しました。
今回も、皆様それぞれに面白いプラグイン等を発表されていました。
私は、SuperSortプラグインのユーザーインターフェースをExtJSに変える作業を行いました。
並び順を保存するところまではできませんでしたが、一応一区切りはつきました。
次回のHackathonは、5月あたりにやりたいとのことでした。
今回参加できなかった方は、ぜひ次回に参加してみてはいかがでしょうか。
なお、「Ustreamで中継してほしい」といった声も出ていたようですが、めいめいがほぼ黙々とプログラミングを続けていましたので、映像的には面白くなかったと思います(笑)。
シックスアパートの皆様、2日間お疲れ様でした。