今年は電子ブック元年になる?

このところ、電子ブック関連の話題が盛り上がっています。
今年は、電子ブックがブレイクする年になりそうな勢いです。

これまでも、電子ブックを流通させようという試みが、何度も行われてきました。
例えば、2004年には、ソニーの「LIBRIe」と、パナソニックの「ΣBook」が発売されました。
しかし、どちらも伸びずに終わっています。
これらの例のように、電子ブックはなかなか普及しませんでした。

しかし、AppleがiTunesストアで音楽のネット販売に成功したこともあって、本もネット販売できそうな雰囲気ができてきました。
そして、AmazonがKindleを発売し、アメリカでは電子ブックが伸びています。
また、Appleも近々タブレット型の端末を発表すると噂されていて、電子ブック市場に本格参入しそうな情勢です。

このような中で、AmazonはKindleで販売する本の印税を大幅に引き上げることを発表しました。
条件付きではありますが、販売価格の70%を著者に支払うということです。

紙の本を販売する場合、印税の率は8~10%程度なので、70%の印税は非常に大きいです。
この策で、Amazonは著者や出版社を囲い込んで、Kindle市場を盤石にしようとしています。

今のところ、Kindleはまだ日本語版がないので、日本でどのような展開になるのかははっきりしていません。
ただ、いずれは日本語対応のKindleが販売されるようになり、アメリカと同じような展開になることが予想されます。

私は本を書いて生活している身なので、電子出版には大いに期待しています。
特に、パソコン関係の本は、対象のソフト等が次々とバージョンアップするので、売れる期間が短いです。
在庫が残ると困るので、出すとしても部数を絞って出さざるをえません。
そのため、この手の本は、紙の本として売るのが難しくなってきています。

一方、電子出版が一般化すれば、在庫の問題がなくなります。
また、対象のソフト等がバージョンアップしたときには、本も短期間でバージョンアップできるようになるでしょう。
より長い期間に渡って本を売りやすくなりそうです。

今後の電子出版の動向に注目したいです。