デジタル放送のコピーワンスの見直し

現状のデジタル放送では、コピーを1回しか行うことができません(コピーワンス)。
しかし、これでは利便性が大きく損なわれることから、コピーの制限を緩和すべきという意見が多く出されていました。

昨日(7月12日)、情報通信審議会でこの件について放送局や家電メーカー等がほぼ合意し、コピーを9回+移動1回までに緩和する案にまとまったということです。

コピーワンスだと、コピー中に停電等のトラブルが起きると、コピー元/コピー先両方が壊れてしまうなど、問題がありました。
また、録画した番組をHDDに残したまま、他の機器(例えばポータブル機器)にコピーできないという不便さもありました。
このことが、デジタル放送の普及の妨げになっているとして、見直しを求める声が多かったです。

2006年に見直しが始まり、当初は「EPN」を導入するという方向がとられました。
特に、家電メーカーはEPNを導入することを主張していました。
しかし、EPNはインターネットへの配信は禁止するものの、コピーは自由という方式であったため、放送業界等がコピー回数を制限する方式を主張していました。
結果として、コピー9回+移動1回という案が採用されました。
この方式に対応した機器は、来年以降に登場する予定だということです。

ただ、既存(および現在販売中)のデジタル対応HDDレコーダー等で、この方式への対応が問題になります。
ファームウェア(機器を制御するプログラム)の書き換えで対応できれば良いですが、できない機器も出てくると思われます。
デジタル対応のHDDレコーダー等を買おうと思っている方は、新方式に対応した機器が出るまで待った方が良さそうです。