リボルビング払い(その1)

先日、毎日新聞のニュースに、リボルビング払いのトラブルについての記事がありました。
要約すると、以下のような内容です。

クレジットカードで50万円の買い物をし、毎月5,000円のリボルビング払いにしたところ、12年間で約70万円を返済したのに、残高が10万円も減っていなかった。

完済するにはさらに12年間返済を続け、総額で125万円ほどを支払う必要がある。

クレジット会社に電話したところ、「契約変更はできず、このまま毎月5,000円ずつ支払うか、残金を一括して返済するかしかない」という返事だった。

確かに、リボルビング払いは、仕組みを理解しないで使うと、上記のようなトラブルになることがあります。
元記事によると、このトラブルにあった女性は、「こんなに長く払わなければならないとは知らなかった」とコメントしています。

ただ、だからといって、リボルビング払いだけを非難すれば良いかというと、そうでもありません。
仕組みを理解せずに使った側にも、問題があると言えます。
自己責任時代になった現在では、「知らなかった」では済まされないことが増えています。
FP(ファイナンシャル・プランナー)の端くれとしては、「知らなかったがために損をした」という状況をできるだけ減らさなければと思います。

そこで、数回に分けて、リボルビング払いの仕組みの概要を書きたいと思います。
今日は、「リボルビング払いとはそもそもどのようなものか」ということを書きます。

リボルビング払いは、分割払いの一種です。
ただ、通常の分割払いとは、月々の支払額の考え方が違います。

通常の分割払いでは、買った金額が高くなるほど、月々の支払額も増えます。
一方、リボルビング払いでは、一定の金額までの買い物なら、月々の支払額が一定です。
例えば、「20万円以下の買い物なら、月々の支払額は1万円」というような感じです。

「買い物の金額が増えても月々の支払額が一定」ということは、その分だけ利息の支払いが多くなり、残高がなかなか減らなくなって、返済期間が長くなることになります。
冒頭にあげた女性の場合だと、買った金額(50万円)に対して月々の支払額(5千円)が少なかったので、返済の大半が利息に回ってしまって、残高がなかなか減らないことになったわけです。