MTDDC Tokyo&Hackathonレポート

2月5日に、東京のベルサール九段にて、MTDDC(Movable Type Developers & Designers Conference) Tokyoが開催されました。
また、翌2月6日には、シックスアパートのオフィスにて、Hackathonも開催されました。
これらのレポートをお送りします。

MTDDC Tokyo

MTDDC Tokyo

昨年11月末にMovable Type 5がリリースされ、その後にMovable Type関連のイベントがいくつか開催されています。
それらの中で、今回のMTDDC Tokyoは最大規模のイベントとなりました。
当初は100名の予定でしたが、予想を上回る応募があったとのことで、最終的には220名を超える応募があったということです。

Movable Type 5 成長するプラットフォーム

社長の関氏の挨拶の後、Movable Type 5の開発を指揮した金子氏より、「Movable Type 5 成長するプラットフォーム」というセッションがありました。

Movable Type 5の概要や、Movable Type 5の開発の背景などをお話いただきました。
背景として、リコーのGR Blogを例に挙げられました。
GR Blogのように、今ではソーシャルな形で発展するようなウェブサイトが増えています。
そういったウェブサイトを想定して、Movable Type 5を設計したといったことを話されました。

また、Movable Type 5の新機能の解説もありました。
テーマの使い方や、カスタムフィールドとカテゴリの対応付けなどについてもお話されました。

さらに、Movable Type 5の今後のプランについても、一部発表がありました。
今後は、以下のような機能を追加していきたいということでした。

  • テーマやプラグインをライブラリから簡単にインストールする機能
  • より柔軟なパブリッシング
  • 拡張可能なリッチテキストエディタ
  • PSGI::Plack等への対応

4月には5.02がリリースされる予定だということです。
また、夏には5.1のベータテストをはじめる予定だということです。

なお、セッションのスライドは、SlideShareで公開されています。

金子氏のセッション

テーマの大冒険

続いて、Movable Type 5のテーマ機能を開発した澤田氏より、「テーマの大冒険」というセッションがありました。

テーマのインポート・エクスポートの基本的な操作手順から始まり、テーマの設定ファイル(theme.yaml)を直接書き換えてさまざまな情報をテーマに含める方法まで解説がありました。
Webデザイナーの方にとって、テーマはビジネスの幅を広げる可能性が高く、参加者の皆様の関心が高かったのではないかと思います。

また、澤田氏のスライド自体が、「Slidon」というテーマによって作られているということでした。
テーマの応用性の高さが現れていて、面白かったです。

なお、セッションの資料はこちらのページで公開されています。
接続後に右カーソルキーを押すと、スライドをめくることができます。

澤田氏のセッション

Brand New API

3つ目のセッションは、Movable Typeのエンジニアである高山氏より、「Brand New API」というお話でした。

Movable Type 5では、従来と比べて、APIの追加や変更が行われています。
以下の各APIについて解説がありました。

  • ウェブサイトの操作
  • リビジョンの操作
  • ダッシュボードウィジェット
  • UTF-8化
  • パーミッションの追加
  • メニューの操作
  • 管理画面のjQuery化

短い時間で盛りだくさんの内容だったので、概要レベルの話ではありましたが、今後のプラグイン開発に役に立つ内容でした。
なお、スライドはこちらのページで公開されています。

高山氏のセッション

シックスアパートのWebサイト管理

次のセッション、シックスアパートのサイト管理をされている広瀬氏から、サイト管理の内側についての話がありました。

シックスアパートでは、Movable Typeを使ってウェブサイトを管理されています。
31個ものブログを組み合わせて、5000ページのウェブサイトを管理されているとのことで、作業の効率化が重要になります。

そこで、サイト内の部品を細かくモジュール化したり、HTMLの書き方を統一したりなど、工夫をされているとのことでした。
モジュール化では、サイト内の多くのページに関係する部分はSSIを使い、一部のページだけに関係する部分はMTのテンプレートモジュールを使うといった、具体的な管理手法の話がありました。

スライドはこちらのページで公開されています。

広瀬氏のセッション

フィードバックのおはなし

5つ目のセッションは、シックスアパートのQAチームの井上氏から、Movable Typeへのフィードバック方法についてのお話でした。

Movable Typeのフィードバック方法として、シックスアパートのフィードバック用フォームを使う方法と、FogBugsに直接に投稿する方法が具体的に解説されました。
おそらく、FogBugsを知っている人はそう多くはないと思いますので、今回の話は新鮮だったのではないかと思います。

また、フィードバックとして、不具合報告だけでなく、機能追加の要望も受けているとのことです。
Movable Typeに不満な点がある方は、どしどしフィードバックした方がよさそうです。

なお、セッションのスライドはこちらのページで公開されています。

井上氏のセッション

ライトニングトーク

最後に、ライトニングトークが行われました。
飛び入りも含め、10名以上の方がさまざまな発表をされました。
私も、「プラグインのセミナーはいかがでしょう」というライトニングトークをさせていただきました。

シックスアパート広報の高橋氏のライトニングトーク

予定を一時間近くオーバーし、6時間近い長丁場のイベントとなりましたが、濃い内容で非常に面白かったです。
大阪でもMTDDCが開催されましたが、そのときに出なかった話も多く、両方参加して良かったです。

Hackathon

MTDDC Tokyoの翌日の2月6日には、シックスアパートのオフィスでHackathonが開催されました。
MTDDC Osakaからだとおよそ2ヶ月ぶりではありますが、東京での開催は1年以上間が開いたと思います。

今回のHackathonでは、シックスアパートの開発スタッフの方々も含めて、15人程度が参加されました。
朝10時から夜6時までプログラミング等を行い、その後に各自が成果を発表しました。
今回も、皆様それぞれに面白いプラグイン等を発表されていました。

私は、SuperSortプラグインのユーザーインターフェースをExtJSに変える作業を行いました。
並び順を保存するところまではできませんでしたが、一応一区切りはつきました。

次回のHackathonは、5月あたりにやりたいとのことでした。
今回参加できなかった方は、ぜひ次回に参加してみてはいかがでしょうか。

なお、「Ustreamで中継してほしい」といった声も出ていたようですが、めいめいがほぼ黙々とプログラミングを続けていましたので、映像的には面白くなかったと思います(笑)。

シックスアパートの皆様、2日間お疲れ様でした。