悪徳業者に狙われる高齢者

「円天」による大型詐欺事件が起こりましたが、その被害者からの相談の約5割が、60歳以上の高齢者によるものであるそうです。

元記事はこちら(毎日新聞)

ゼロ金利解除によって、各種の金利は若干上がりました。
しかし、預貯金の金利は相変わらず低い状態です。
そのため、「利息を老後の生活費の足しにしたい」と考える高齢者の方々が、高利をうたう金融商品に関心を持っています。
ここ数年、分配金が毎月出る投資信託が人気となっていますが、これもこのような方々のニーズにうまく合っていることが理由です。

ところが、このような状況を利用して、高齢者などからお金を奪おうとする悪徳業者も増えています。
日本ではいわゆる「金銭教育」が行われてこなかったので、「資産はあるが金融関係の知識がない」という方も、少なくないです。
こういった人々は、悪徳業者の絶好の「カモ」であるといえます。

医療の世界では、「セカンド・オピニオン」(第2の意見)という用語を聞くことが多くなりました。
主治医の意見だけでなく、他の医師の意見も聞いて、主治医の意見が正しいかどうかを判断しようというものです。
これと同様に、金融商品を買おうと思ったら、その販売業者の言うことを鵜呑みにするのではなく、第3者からセカンド・オピニオンを聞くことが必要になっていると言えるでしょう。

円天のような事件が起こるたびに、「FP(ファイナンシャル・プランナー)が十分に活用されていない」と感じます。
ファイナンシャル・プランナー(FP)は、顧客の立場に立って、金融商品に関する助言をすることも1つの仕事です。
もし、FPが誰かから「円天に出資したいけどどう思う?」と聞かれたとすれば、「それは怪しいんじゃないの」と助言していたことでしょう。

「預貯金から投資へ」という流れの中で、投資を装った悪徳業者が増えることは間違いないでしょう。
「この金融商品は大丈夫?」と感じたときには、FPを活用していただければと思います。