「WordPressで学ぶPHP(2)データ構造(配列・オブジェクト)編」を発売しました。
本書は「WordPressで学ぶPHP(1)変数・制御構造編」の続編にあたり、PHPの「データ構造」(配列とオブジェクト)について解説します。
配列やオブジェクトは、頭の中で考えるだけでは、イメージがつかみにくいです。本書では図を多用して、配列やオブジェクトをなるべく分かりやすく解説することを心がけました。
Kindle本で、定価250円です。
リボルビング払い(その4)・残高スライド方式
リボルビング払いの返済方式で、「残高スライド方式」もよく使われています。
残高に応じて、返済額が増減する方式です。
※このエントリーは、2006年12月28日の「リボルビング払い(その3)・元金定額リボルビング方式」の続きになります。
1.残高スライド方式の概要
元利定額方式や元金定額方式の定額方式では、月々の返済額(またはその元金分)が一定でした。
それに対し、残高スライド方式では、借入残高が減ると月々の返済額も減り、逆に借入残高が増えると月々の返済額も増えます。
例えば、以下の表のような形で、借入残高に応じて月々の返済額が変化します。
借入残高 | 月々の返済額 |
---|---|
5万円以下 | 5千円 |
10万円以下 | 1万円 |
20万円以下 | 2万円 |
… | … |
2.残高スライド元利定額リボルビング方式と残高スライド元金定額リボルビング方式
残高スライド方式にはいくつかの種類があり、その中で「残高スライド元利定額リボルビング方式」や「残高スライド元金定額リボルビング方式」がよく使われています。
残高スライド元利定額リボルビング方式は、月々の返済額(利息分も含む)が、借入残高に応じて段階的に変化するものです。
例えば、残高に応じて月々の返済額が2段階に変化する場合だと、以下の図のようなイメージになります。
↓残高スライド元利定額リボルビング方式での月々の返済額の利息返済分と残高返済分の関係の例
↓残高スライド元利定額リボルビング方式での残高の減り方の例
一方、残高スライド元金定額リボルビング方式は、月々の返済額の元金分(利息分は含まない)が、借入残高に応じて段階的に変化するものです。
↓残高スライド元金定額リボルビング方式での月々の返済額の利息返済分と残高返済分の関係の例
↓残高スライド元金定額リボルビング方式での残高の減り方の例
3.残高スライド方式のデメリット
残高スライド方式では、借入残高が少ないと月々の返済額も少ないので、一見すると返済が楽なように思えます。
しかし、月々の返済額が少ないということは、その分だけ借入残高の減り方も遅くなり、利息がかさんで、返済総額が多くなることになります。
例えば、20万円をリボルビング払いで返済するとします。また、利息は年18%として、以下の4つの返済方法を比較してみます。
(a)毎月1万円返済の元利定額リボルビング方式
(b)毎月1万円返済の元金定額リボルビング方式
(c)残高10万円以上なら月1万円返済、10万円未満なら月5千円返済の元利定額リボルビング方式
(d)残高10万円以上なら月1万円返済、10万円未満なら月5千円返済の元金定額リボルビング方式
計算してみると、以下のような結果になりました。
元利定額(aとc)の方が元金定額(bとd)より返済総額が多く、またスライド方式(cとd)の方がそうでない方式(aとb)より返済総額が多くなることが分かります。
返済方法 | 返済総額 | 返済回数 |
---|---|---|
(a) | 239,565円 | 24回(1万円×23回+端数1回) |
(b) | 231,500円 | 20回 |
(c) | 248,256円 | 36回(1万円×14回+5千円×21回+端数1回) |
(d) | 239,000円 | 30回 |
どのようなローンでも言えることですが、残高を速く返せば返すほど、利息の支払いを少なくすることができます。
残高スライド方式のリボルビング払いを利用する場合は、そのことを頭に入れておく必要があります。