外国為替証拠金取引業者の破綻が相次ぐ

2005年8月以降に、外国為替証拠金取引業者の破綻が相次いでいるそうです。
7月に規制が強化されたことによって、営業を続けられなくなった会社が増えたのが原因だとのことです。

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外国為替証拠金取引とは、証拠金を業者に差し入れることで、証拠金の数倍の外貨を取引できるものです。
証拠金の必要額は業者によって、また通貨の種類によって異なりますが、取引する外貨の数十分の1~10分の1程度です。
例えば、米ドルの取引をする場合、1万ドル(本記事投稿時点で、日本円で約120万円)につき、証拠金を数万円~10万円程度入れれば良い業者が多いです。

少額の証拠金で大きな取引ができるため、わずかな為替の変動で大きく利益を上げられる可能性があります。
例えば、10万円の証拠金で1万ドルの米ドルを買う場合、為替が1円(1%弱)円安になると、1万円の利益を得ることができます。
10万円の元手で1万円の利益ですので、リターンは10%となります。

しかし、為替が思惑と反対に動けば、あっという間に大きな損失を受けることにもなります。
上の例の場合、為替が1円円高になると1万円の損失になります。
また、為替が10円円高になると、損失は10万円になり、元手がなくなることになります(ただし、その前に証拠金を追加で差し入れることが要求されます)。

このような仕組みを顧客に説明せず、「必ず儲かる」といったウソのセールストークで客を騙し、証拠金を巻き上げる業者も少なからずありました。
そのため、国が規制を強化して悪質な業者を排除しようとしたので、破綻する業者が増えたわけです。

確かに、このような悪質な業者は排除すべきですが、一方で「必ず儲かる」という言葉に騙される人が多いことも問題です。
リスクとリターンは表裏一体であり、大きく儲かることがある金融商品は、大きく損をすることもあります。

外国為替証拠金取引を行うなら、こういった仕組みやリスクをよく理解した上で、自己責任で行うべきです。